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サイボーグ009 完結編 conclusion GOD’S WAR

公開日: : サイボーグ009

サイボーグ009 完結編 conclusion GOD'S WAR 1

の代表作『サイボーグ009』。石ノ森は、自らの手で完成させることなく1998年に逝去。しかし、遺志を継いだ息子の小野寺丈が父のノートをもとに小説として発表し、アシスタントだった早瀬マサトとシュガー佐藤がマンガ版を執筆した。(名義は、いずれも石ノ森と共著になっている)。

マンガ版は、全30話で成り立っている。第1話から第18話までが、00ナンバーたちが神のような存在と遭遇するストーリー。9人の戦士を、改めて紹介しているようにも見える。これらをプロローグとエピローグで挟み、石ノ森のもとに、001の能力で未来からタイムスリップしてきたギルモア博士が、戦闘のヒントを得ようとする描写がされている。

第19話からが「最終編」と題されていて、こちらはかなり凄まじい。ギルモア博士の招集で9人は日本に集結するが、大量の奇怪な邪鬼たちに襲撃され、全滅に近い敗北を喫してしまう。ギルモア博士によって再強化の手術を受け、001から新たな力を授けられてパワーアップした00ナンバーたちは、どうにか邪鬼たちを撃退する。

しかし、半年後に各地で内戦などが勃発し、00ナンバーたちは自傷・自殺に走る。これらは神による精神支配で、001によって踏みとどまった戦士たちは再び集結。浮上したムー大陸からは、巨人化したオーディンやブッダ、キリストなどの「神々」が来襲する。更にはギルモア博士と008が裏切り、ほかの00ナンバーたちは次々に命を落とす。絶体絶命か、人類は滅びてしまうのか。

完結編での敵は、またしても神々だ。「またしても」というのは、原作では『天使編』『神々との闘い編』と2度に渡って神との戦いが描かれるも未完になり、これらの続編ではないエピソードが生み出されていた。テレビ版第2期でも、『宇宙樹編』で倒されたオーディンが『ネオ・ブラックゴースト編』の終盤で再登場していて、構想はあったと思われていた。

つまりは、対象が人間をはじめ生物を作った造物主であり、生物よりも上位に位置する存在に対してどう立ち向かうかというプロットが大きすぎて、まとめられなかったのだ。

しかし、『完結編』ではこの難題をなんとか克服している。世界各地の神話や伝説で言い伝えられている神々を全部のせ状態にし、太陽系全体をパラレルワールド化することにより、神々を再定義した(ただそのため、00ナンバーたちの凄惨な描写があったり、001の能力が突出しすぎていて、彼による状況説明が長すぎたりするきらいはあるが)。

もちろん、石ノ森本人が存命中に『完結編』を描いていたら、異なる内容になったかもしれない。構想ノートにはすべてが書かれていたわけではなく、小野寺や早瀬や佐藤が、イマジネーションとインスピレーションをフルにはたらかせて補完しながら作ったことも、明かされている。これはこれで、ありだと思っている。

これでほんとうに終わりなのかもしれないが、この『完結編』のアニメ化をどこか期待してしまう自分がいる。

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