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十戒(1956年)

公開日: : 最終更新日:2024/01/02 十戒

十戒(1956年)

エジプトが、ヘブライ人を奴隷としていた時代。エジプトの王ファラオ(セティ一世)は、救世主の登場を恐れてヘブライ人の男の赤ちゃんをすべて殺せとの命令を出す。ヘブライ人の子として生まれたモーセはナイル川に流され、拾ったセティ一世の妹は自分の子として育てる。成長したモーセは知性と武運に優れ、民からの信頼も得る。

セティ一世は、自分の息子ラムセス二世よりも、モーセを後継者にと考える。しかしモーセの出生の秘密が明らかになってしまい、ラムセス二世はモーセを追放。モーセは砂漠を放浪しした末に、シナイ山の麓にたどり着く。あるとき、山頂に不思議な光を見たモーセは、そこでヘブライ人をエジプトから解放せよという神の啓示を受ける。

旧約聖書の出エジプト記を原作とし、なんと3時間40分に渡る超大作になる。エジプト人やヘブライ人の奴隷など、大勢のエキストラを動員。更には、姿こそ描写してはいないが、声を発し、モーセと会話するなど、神を描写している。神の啓示以降のモーセは超常現象をいくつも起こし、ヘブライ人を連れて大移動する際、炎の柱でエジプトの軍勢を足止めする。

極めつけは、海を割るシーンだ。劇中ではモーセの力によって水が割れ、あらわになった海底の地面を一行は歩いて渡る。渡り終えると海が戻り、エジプトの船や兵士たちは水没してしまう。当然CGもVFXもない時代で、どうやって撮影したのかと思ってしまう(てっきりアニメかと思っていたが、調べたら、撮影時には大量の水を流し、編集で逆再生したとのことだ)。

キャストは、モーセにチャールトン・ヘストン。仙人状態になる前の前半は、精悍な顔つきや鍛えあげられた肉体など、凛々しいキャラクターだ。『ベン・ハー』の主人公役と並び、この人の代表作になると思う。ラムセス二世は、ユル・ブリンナー。観る側の多くはモーセの方に寄ると思われ、憎まれる損な役回りだが、この人のきりっとした目つきや毅然とした王たる姿勢が、作品を引き締めていると思う。

2015年に日本公開された『エクソダス 神と王』では、がモーセ、ジョエル・エドガートンがラムセス二世を演じている。超常現象的な描写を極力廃し、より現実に近いものとしている。

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