*

ロックバンドのあり方

Brian Wilson『Smile』

ロックバンドのあり方というか生き方には、さまざまな形があるのだということを、ふと思うことがある。

先日来日公演を終えたばかりのは、もとはの中心メンバーだった。しかしブライアンは途中からツアー不参加を表明し、スタジオレコーディングに没頭。傑作を作り上げもしたが、やがて精神を病んでしまい、長きに渡って廃人のような生活を送っていた。そして現在は、ソロとしてツアーもレコーデイングも好調。

一方本家ビーチ・ボーイズは、音楽的な成長はとうの昔に止まってしまい、またメンバーが次々に亡くなってしまい、今やオリジナルはリードヴォーカルのみ。それでもバンドとしては存続している。つまりは、2通りのビーチボーイズが現在存在しているようなものだ。

2通りに分離ということでは、少し前までのとロジャー・ウォーターズも、似たような形態になっている。他にも思いつくままに挙げてみると、メンバーチェンジを繰り返し、また活動停止と再開を断続的に行っているも、稀な例だろう。ドラマーの怪死によってバンド生命を絶たれたのは、だ。両者はその後何度か一時的な再結成をし、特に近年のフーの活動ぶりには目覚しいものがある。

最近(といってももう20年選手になるが)最も劇的なバンド人生を送っているのは、なんと言ってもだ。脱退もしくは死亡によるメンバーチェンジを繰り返し、何度解散の危機を迎えたことか。しかし残りのメンバーはことごとくそれを克服し、近年の活動にはバンドが何度目かのピークに達していることを感じさせる。そして長いキャリアを誇りながら解散することなくずっと存続しているロック最長不倒バンドといえば、だ。

関連記事

ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)『Smile DVD – Disc1』

ブライアン・ウィルソンが2004年にリリースしたアルバム、『Smile』。作品にリンクした2

記事を読む

ザ・ビーチボーイズ『Good Vibrations: Thirty Years Of The Beach Boys』

60年代のヒット曲をタイトルにした、ビーチ・ボーイズのボックスセットがある。なんと6枚組とい

記事を読む

テルミン博士のドキュメンタリー映画『テルミン』

直接手で触れることなく演奏する電子楽器、テルミン。作ったのはロシアの科学者レオン・テルミン博

記事を読む

ラブ&マーシー 終わらないメロディー(2015年)

1966年。ビーチ・ボーイズのほとんどの曲を書いているブライアン・ウィルソンは、スタジオで曲

記事を読む

ザ・ビーチボーイズ(The Beach Boys)『Pet Sounds Sessions』

97年の暮れにリリースされた、ビーチ・ボーイズの『Pet Sounds Sessions』を

記事を読む

  • 全て開く | 全て閉じる
PAGE TOP ↑