プライマル・スクリーム(Primal Scream)、単独来日は2年ぶり
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最終更新日:2023/10/13
Primal Scream フジロック, プライマル・スクリーム
もともと来日の多い11月なので、プライマルは観に行くかどうか迷いに迷った。3年連続で来日しているし、仮に今回見送ったとしても、来年辺り再来日してくれそうだ。しかし、そのときはそのときで他のアーティストと日程がかぶらないとも限らない。そう考えて結局チケットを取った。
プライマルのページは、コステロと同様でフジロック'98にリンクして作っていて、それはサイト立ち上げからかなり早い時期になる。今回は最新作『Evil Heat』と、当時は未聴だったファースト『Sonic Flower Groove』を補足するだけで終えるつもりだったが、結局全てのアルバムを聴き直した。『Evil Heat』は、前作『Extrmntr』のエレクトロパンク路線を踏襲しつつも、更に過激な仕上がりになっているように思った。ネットやラジオなどでシングル『Miss Lucifer』を聴いたときはそれほどのインパクトを感じなかったので、嬉しい誤算だ。
ファースト『Sonic Flower Groove』はギターポップ、セカンド『Primal Scream』はガレージパンク、サード『Screamadelica』はアシッドハウスと、一般的には位置づけられている。その次の『Give Out But Don't Give Up』はアメリカ南部路線で、ワタシはプライマルのことを一作毎に音楽性がコロコロと変わる、節操の無い連中だと否定的に捕らえていた。4年前は。だけど今回聴き直してみて、確かに各アルバムのカラーやイメージはこの通りになるのだろうが、それはそう思わせる象徴的な曲がちりばめられてあるだけで、決してアルバム全てを支配するものではないことに気付いた。
実は、どの作品にもポップなメロディーの曲は存在しているのだ。恐らくそれが彼らの基本となる立ち位置であって、それを崩さないままにあれこれと試しているのが、ガレージだったり南部の土臭いサウンドだったりするのだろう。そうした試行を終えて束ね始めたのが『Vanishing Point』で、他を削ぎ落としてエレクトロパンクに絞ったのが『Extrmntr』だったのではないだろうか。
今回の公演地は東京と大阪の2箇所だけで、しかもいずれもがライヴハウス。ほんとうはひと握りのファンだけではなく、多くのファンがライヴを体感できる会場を用意してほしかったし、東阪以外の地域でも公演をしてほしかったと思う。ワタシは17日のZepp Tokyo公演を観に行くが、新作を引っ提げた彼らがどんなすごいライヴをしてくれるのかを、しっかり見届けようと思う。
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