カッコーの巣の上で(1975年)
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最終更新日:2023/09/23
アメリカン・ニューシネマ ジャック・ニコルソン, ダニー・デビート
精神異常を装い、刑務所での強制労働を免れて精神病院に来たマクマーフィー。婦長が定めたルールを次々に破り、グループセラピーよりもテレビをつけるよう主張したり、仲間の患者を連れて海に釣りに行ったり、と、やりたい放題。そしてクリスマスの夜、女友達を病棟に連れてどんちゃん騒ぎをし、混乱のどさくさに乗じて脱走を図る。
いわゆるアメリカン・ニュー・シネマのカテゴリに入るらしいが、精神病院という舞台や看護師対患者という図式は、権力とそれに反発する反体制という図式とは少し離れ、異色に感じる。看護師側がやりすぎだと思ったのは、どんちゃん騒ぎの後マクマーフィーに施したロボトミーくらい。そしてコレは、『時計じかけのオレンジ』を思い起こさせる。
キャストは、マクマーフィーにジャック・ニコルソン。今や大御所、怪演俳優のイメージが強いが、ここでは若々しく(といっても30代後半だが)体型も細身で、血気盛んな青年を演じ、アカデミーでは最優秀主演男優賞を受賞。敵対?する婦長はルイーズ・フレッチャーで、こちらもアカデミー主演女優賞を受賞。この人にとっては、この役が代表作のようだ。他にも、患者役でダニー・デビートやクリストファー・ロイド(「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドク役)などが脇を固めている。
マクマーフィーが病院脱走を決心したのは、チーフと呼ばれる大柄の患者が、しゃべれないと思われていたのが実はその「ふり」をしていただけだと知ったときだ。そのチーフが、ラストでは廃人状態のマクマーフィーを仲間と認めながらも窒息死させ、窓を割って病院を出ていく。信頼していながら自ら手にかけるという行為は、何かの暗示なのかな。また、「カッコーの巣」とは精神病院の蔑称でもあるらしい。
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