ブラー(Blur)@サマソニ’23
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Summer Sonic 2023 サマソニ, ブラー
サマソニ出演は、2003年以来実に20年ぶり。しかしこのときはグレアム不在、そして個人的にもディーヴォを選択していたため観なかった。今回は、20年前のリベンジだ。
定刻の少し前に客電が落ち、続いてステージが暗転。ブラーの4人が登場し、新譜『The Ballad of Darren』の『St. Charles Square』でスタート。このまま新譜モードで行くのかと思いきや、『Popscene』『Beetlebum』とベストヒットモードにシフトする。フェスでは正しいアプローチだ。
デーモンもグレアムもメガネをかけて登場したが、ふたりとも途中からはずしていた。グレアムは曲毎に使用するギターが変わり、頻繁に交換していた。バックドロップは縦に4分割されたスクリーンで、4人を同時に映すことが多かった。両サイドのスクリーンは、セピア色やモノクロでランダムにメンバーを捉えていた。
中央にデーモン、向かって左にグレアム、右にアレックス。3人は横一列に並んでいる。グレアムの側から3人を映すショットが何度かあったが、デーモンとグレアムが正面を向いているのに対し、アレックスはふたりの方に体を向けて、つまりアリーナには半身の状態でベースを弾いているのが印象的だった。巨大なソングライターふたりを、一歩引いて見ているようにも思えた。
グレアムがリードヴォーカルをとる『Coffee & TV』は、出だしをやり直し。『Country House』ではデーモンはステージを降り、アリーナ前方に身を投じていた。『Girls & Boys』のとき、デーモンはステージから捌けていたが、この曲のPVと同じデザインのジャージを着て戻り、歌っていた。ラストは、『The Narcissist』からの『The Universal』で締めくくった。
新譜『The Ballad of Darren』は、聴けばいい曲揃いだが、ブラーの作品にしては地味なのと、リリースからまだ日が浅くて特に日本ではあまり浸透していないのが惜しかった。また、中盤で三塁側のステージ外からドローンが上がり、アートのような隊列を組んだり、メッセージを発したりしていた。恐らくはビーチステージの星野源プロデュースの関連と思われるが、ブラーのライヴとも微妙にシンクロしていた。ワタシは一塁側スタンドにいたので気づけたが、三塁側の人はわからなかったと思う。
ドラムのデイヴの表情は伺えなかったが、ほか3人はリラックスし、ステージに立っているのを楽しんでいるように見えた。特に、曲によりギターを弾いたりキーボードを弾いたりと忙しいデーモンは、子供がはしゃいでいるかのように見える瞬間が何度もあった。各地のフェスでヘッドライナーをこなしている彼らが、日本を特別に思うことなどあるだろうかと思ってしまうが、そんな勘繰りは一蹴された気分だ。
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