Cornelius、SENSUOUS TOUR 2007
ベックの前に、あしたコーネリアスのライヴを観に行ってくる。昨年、オリジナルでは5年ぶりとなるアルバム『Sensuous』をリリースし、そのツアー中なのだ。個人的には、過去に一度だけライヴを観たことがある。2002年のフジロックがそれで、しかしこのときはグリーンステージでジェーンズ・アディクションを観た後に移動したため、中盤からの観戦となった。それでも、音といい映像といいパフォーマンスといい、夜の野外舞台にしっかりとヒットし、神秘的な空間が生み出されていて、印象深いライヴになった。
2002年のときは当時の新譜『point』しか聴いていなかったのだが、今回は『Sensuous』を含む全てのオリジナルを聴き、また可能な限りリミックスアルバムも聴いてみた。活動開始当初はやはりフリッパーズ・ギターを引きずっている感があり、小洒落たギターポップというスタイルで、歌ものがほとんどだった。それが97年作『Fantasma』からデジタル指向が表面化するようになり、そして2001年の『Point』で大胆に音響派の領域に踏み込んだ。『Point』は、日本はおろか海外に出しても恥ずかしくない、決定的なレベルに到達したように感じた。
そして『Sensuous』だが、音響指向でありながら歌ものも復活していて、『Point』と『Fantasma』の中間を行くような作風に思えた。個人的な好みで言えば断然『Point』なのだが、かと言って『Sensuous』が足踏みや後退だとは思わない。仙人のように枠からはみ出て好き勝手やるのではなく、ポップミュージックのフィールドで勝負せんとする、攻めの姿勢が伺えるのだ。
『Point』から『Sensuous』までには実に5年のインターバルが空いているが、もちろんこの間小山田はただ休んでいたわけではない。国内外のアーティストのリミックスを手掛けてもいたし、スケッチ・ショウや坂本龍一のツアーにもギタリストとして参加している。ワタシはどちらのライヴも観ていて、ただ単に巨匠たちに従っているのではなく、自らのアイディアを盛り込んでいて、それが巨匠たちを刺激する格好になっていた。
明日の公演は国内ツアーの終盤に当たり、バンドもかなり脂が乗っている状態だと思われる。また日本公演終了後は海外ツアーに出ることが決まっていて、コーチェラフェスにも出演する。楽しみだ。
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