鬼滅の刃 刀鍛冶の里編

無限城に、上弦の壱から伍までの鬼が集結。鬼舞辻無惨は、上弦の陸の妓夫太郎と堕姫が鬼殺隊に倒されたこと、青い彼岸花が見つからないことに苛立つ。上弦の伍の玉壺が鬼殺隊の刀鍛冶の里の場所を知っていると進言し、無惨は上弦の肆の半天狗ともども向かわせる。

竈門炭治郎は、日輪刀の補修と療養を兼ねて、禰豆子を伴い刀鍛冶の里へ向かう。柱の甘露寺蜜璃・時透無一郎、同期にあたる不死川玄弥との再会を果たすが、そこへ半天狗と玉壺が来襲。無一郎は半天狗に吹き飛ばされ、玉壺と対峙。炭治郎・禰豆子・玄弥は半天狗と戦うが、首を切れば切るほど半天狗は分離していく。

『遊郭編』終了から1年2ヶ月後となる、2023年4月に放送開始。ただ今回は、放送に先駆けて『遊郭編』最終話プラス『刀鍛冶の里編』第1話を『上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』として2月から劇場公開。更には、声優陣が日本のみならず世界中を舞台挨拶してまわった。ものすごい力の入れようだ。

前半は、里長や小鉄など刀鍛冶たちとの邂逅や療養などで、比較的ゆったりとした空気感で進行。しかし、もちろんこのままで済むはずもなく、半天狗と玉壺に襲撃されてからは里は大混乱に陥ってしまう。

今回のキーパーソンは甘露寺と無一郎の柱だが、剣士としての技量には秀でているものの、彼らとて上弦の鬼と戦うのははじめてのはず。そのふたりに、技量では劣るが経験値に勝る炭治郎のことばが効いてくる。

無一郎は、炭治郎の「人のために行った事は巡り巡って自分に返ってくる」ということばを思い出して小鉄を救い、自身が玉壺の血気術に苦しめられたときには小鉄が機転を利かせて無一郎を救う。また、双子の兄を亡くしてから失っていた、それまでの記憶も回復した。声優は河西健吾で、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の三日月役の人。ふわっとしていて掴みどころのない声質や話し方は、むしろ個性になっている。

甘露寺は自身の身体能力の高さがコンプレックスだったが、それが人の役に立つとわかって鬼殺隊に入隊。憎珀天に苦しめられ窮地に陥っていたとき、いちばん可能性のあるこの人が希望の光だという炭治郎のことばに奮い立ち、ひとりで憎珀天を食い止める決意をする。声優は花澤香菜で、個人的には『PSYCHO-PASS サイコパス』の常守朱や『空挺ドラゴンズ』のヴァナベルなど落ち着いたキャラを演じる印象があったので、甘露寺のキャピキャピしたキャラはむしろ新鮮だ。

最終話、既に日が昇っている中で半天狗の本体を追うか、禰豆子を守るかで決断ができない炭治郎。この迷いは鬼殺隊としては失格だが、そもそも炭治郎は禰豆子を人間に戻すために戦っているので、自己矛盾に陥ってしまう。どうやって打開するのかと思ったが、禰豆子が炭治郎を蹴り上げて半天狗に向かわせた。

炭治郎は見事半天狗の本体を討ち取ったが、禰豆子は太陽の光に焼かれてしまい・・・かと思いきや、なんと太陽を克服。片言ながらことばも発するようになる。これに狂喜したのは炭治郎たちだけでなく、無惨もだった。ここで無惨の過去、最初の鬼になったいきさつが明らかになる。

そして、『柱稽古編』のテレビアニメ化決定。『無限城編』まで、あと少しだ。