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ザ・フラッシュ(ネタバレありにつき閲覧注意)

ザ・フラッシュ(ネタバレありにつき閲覧注意)

フラッシュことバリー・アレンは、かつて母親を亡くし、しかも父親が殺害容疑で服役していて、有罪が濃厚な判決を控えていた。バリーはフラッシュとして超高速で走り続けることにより時空を超えて過去に戻れることに気づき、母が死ぬ直前に戻って死を防ぐ。しかし、過去を変えたことによってその後も変わってしまい、母が生き続ける世の中にも存在する自分と出会ってしまう。

もうひとりのバリーは、まだ能力が備わる前だった。バリーは彼を連れて雷に撃たれ能力覚醒を再現するが、彼は覚醒したものの自分の能力を失ってしまう。そして、かつてジャスティスリーグが倒したはずのゾッド将軍が、地球を制圧せんとしていることを知る。この世界にはアクアマンもサイボーグもワンダーウーマンもいない。しかしバットマンは存在していることを知り、ふたりはウェイン邸に向かう。

ところがブルース・ウェインは隠居状態で、白髪の長髪で汚い身なりになっていた。バリーが助けを求めても最初は応じなかったが、マルチバース化が起こっていること、ゾッド将軍が来襲していることなどにより、再びバットスーツを着用する。3人はスーパーマンことカル=エルが監禁されているロシアの秘密基地に向かうが、実は監禁されていたのはカーラ・ゾー=エルだった。彼女はカル=エルのいとこで、ふたりはクリプトン星滅亡間際に放出されて地球にたどり着いていた。そして、カル=エルは幼くして亡くなっていた。

DCエクステンデッド・ユニバースの一環となる作品で、今回は最速ヒーローことフラッシュの物語だ。アメコミ原作を読んでいない身としては、バリーが能力を得る契機、空腹と能力減退が連動していること、ふだんは素性を隠して警察の法医学で務めていることなど、この人のキャラ付けが明確になったことをありがたく思っている。序盤での、フラッシュが超高速で疾走するときの、映像の美しさは圧巻だ。

主人公はもちろんフラッシュだが、実質的にほぼジャスティスリーグの様相を呈し、かつマルチバースを取り入れた渾身の一作になる。ネタバレなしで書くのが困難と思い、以降自分で認識できた分について書く。

アバンタイトルでは、ゴッサムシティに同時多発的に事件が発生。フラッシュは崩壊しかかった病院に向かい、6人の赤ん坊と看護師を救う。バットマンは殺人ウイルス強奪犯を追い、犯人グループは撃退したもののウイルス放出の危機に見舞われる。そこをサポートしたのが、ワンダーウーマンことダイアナ・だった。

バリーが時空を超えるところでは、円形闘技場のような空間(クロノボウルというらしい)の中心にバリーがいて、過去に起こった事件に関わるキャラクターやバリーの両親らが、周囲を何重にも囲む描写になっている。一瞬だが、が演じるスーパーマンを確認することができた。

舞台の大半を占める改変後の世界では、バットマンことブルース・ウェインは、既に明らかになっている通りだ。バットモービルのボディも、『バットマン』『バットマン・リターンズ』の頃の形状になっている。ゾッド将軍との戦闘でバットマンが活躍する場面では、ダニー・エルフが手がけた音楽がかかり、胸が熱くなる。

カーラのスーパーガールは、体格こそ細身で小柄だが、パワーと能力はほぼスーパーマンと同等だ。何より、空中に浮遊しているときの、片足の上げ方をはじめとするシルエットが、歴代スーパーマンを彷彿とさせてくれる。サッシャ・カジェという人が演じているが、ほぼスクリーンデビューに近い人のようだ。

終盤、クロノボウルでバリーが元に戻す(母の死を受け入れる)決意をするところでは、クリストファー・リーヴのスーパーマン、ヘレン・スレイターのスーパーガールを確認できた。のスーパーマンもいたが、立ち消えになったものの企画はされていたようだ。古いモノクロのスーパーマンは、恐らく最初のテレビシリーズのものと思われる。

バリーはエズラ・ミラーで、ひとり一人二役をこなしている。プライベートではいろいろやらかしていたものの、本作が無事に公開されてよかったと思っている。また、本編未登場だが、ポストクレジットでジェイソン・モモア演じるアーサー・カリーも登場する。

もとの世界でのブルース・ウェインは、だ。ところが、ラストではなんとジョージ・クルーニーになっていた。『バットマン&ロビン』のときのブルース役で、これも嬉しいサプライズではあるのだが、でも今後のDCエクステンデッド・ユニバースはどうなるの?

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