東京事変 live tour 2010 ウルトラC@国際フォーラム
ソロ時代から観続けてきて、改めて数えてみると、テレビ番組収録やファンクラブイベントなどを含めて今夜が20回目。そして、今夜のライヴこそがベストだと確信を持って言える。
新譜『スポーツ』のクオリティの高さがそのまま生かされていると、名古屋遠征時に既に実感はしていた。が、今夜は更にその上を行った。MCはほとんどなく、歌と演奏に徹底的に集中する、緊張感漂うものとなった。賛否あるかもしれないが、ワタシは事変に関してはMCなしを支持する派だ。はっきり言ってしまえば、林檎もメンバーもしゃべりに長けているとは言い難く、MCタイムは和みタイムになることが多かった。ファンからの声援のみならず、冷やかしやヤジが飛ぶ時間帯にもなっていた。MCを廃したことで、ダレることがなく空気が引き締まり、ライヴとしての完成度が高くなった。
アンコールは名古屋では2回だったが今夜は1回となり、『透明人間』や『群青日和』はセットから落ちた。しかし、これらの曲が落ちたのを補って余りあるボーナスが飛び出した。東京公演にリンクしてか、本編では『某都民』が、アンコールでは『丸の内サディスティック』が披露された。この『丸サ』、林檎博のエンディングに流れ、『三文ゴシップ』にボートラとして収録されていたバージョン。つまり英語と日本語がミックスされた歌詞で、このバージョンのライヴ演奏はこれが本邦初だろう。
ライヴそのものだけでも凄まじかったのに、個人的には更なる「大きな恩恵」を受けてしまった。ワタシがこの日手にしていたチケットは、ステージ向かって右側ながら、なんと最前列だったのだ。こんな間近で椎名林檎を観るのは、初めて観た99年のクアトロ以来だと思う。林檎女史はかなり細身に見え、体を絞ったように見えた。普通に歩いていたが、靴はピンヒールだった。刃田のドラムも間近で見え、小柄ながらかなり激しいプレイをしていることがわかった。足にはテーピングをしていて、終盤はアゴから汗がしたたっていた。亀田も、メガネを曇らせながらベースを弾いていた。かなり細かいところまでを確認できたのは、最前列ならではだ。
そして、『OSCA』のときにそれは起こった。林檎女史が歌いながらステージ前方に歩み寄ってくるのは名古屋で知っていたが、この日もそれはあった。最前列に詰めている客とのハイタッチ。やがて、ワタシのいる方にも彼女は近づいてきた。そしてついに、彼女とハイタッチ!一瞬ではあったが、感触を得ることができた。思ったよりもひんやりとした手だった。彼女に触れたのは、もちろんこれが初めてである。もう、いつ死んでも構わん(笑)。
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