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ボブ・ディラン(Bob Dylan)”ROUGH AND ROWDY WAYS” WORLD WIDE TOUR 2021-2024@東京ガーデンシアター 東京公演4日目

公開日: : 最終更新日:2023/04/16 ライヴ

ボブ・ディラン(Bob Dylan)"ROUGH AND ROWDY WAYS" WORLD WIDE TOUR 2021-2024@東京ガーデンシアター 東京公演4日目

グッズをどのタイミングで購入するか考えた末、開場40分ほど前に現地に到着。約20分程度で購入できた(売り場は柵で仕切られ、購入は入場前か終演後とされていた)。開場時間となり入場すると、ポーチを渡されて携帯を入れて施錠し、ポーチごと持ち歩く(終演後に解錠される)。また、金属探知機によるチェックもあった。

なんと、予定よりも3分早く場内が暗転し、とバンドが登場。しかし完全に暗くはせず、薄明るい状態にて『Watching the River Flow』でライヴがスタートした。

ステージには装飾はなく、後方は真紅のカーテンで覆われ、演奏中に下の方からライトが照らされるのが、ほとんど唯一の演出だ。バンドは広いステージを狭く使い、真ん中にきざいを集中させ、みなその中に陣取っている。全員黒づくめの衣装で、ワタシのいる2階席からだと、メンバーが機材に同化しているように見えてしまう。

後方向かって左から右に、ドラムのジェリー・ペンテコスト、ベースのトニー・ガーニエ、右にペダルスティールのドニー・ヘロン。前方中央にディランが構え、両サイドにふたりのギタリスト、ボブ・ブリットとダグ・ランシオが陣取るという配置だ。ドニーは、曲によってはバイオリンも担っていた。

ボブとダグは、どちらがどなたなのかわからなかったが(汗)、向かって右の人は半身の状態でディランの方を向いて、ほぼ直立不動で弾いていた(向かって左がダグ・ランシオ、右がボブ・ブリットとのこと)。ディランはいちおう客側真っ正面を向いているが、ピアノに同化して見えにくかった。携帯だけでなく双眼鏡も持込不可にされたのは、ちときつかった。

というわけで、細かい動きまで追うのは難しかったが、演奏は素晴らしかった。もっかの最新作『Rough And Rowdy Ways』はほぼ全曲が地味で、聴いているとライヴ向けとは到底思えなかった。しかし、そこはディランと腕利きたちで、どの曲も原曲にヴォリューム感を加え、音楽というより物語を表現しているような感覚に見舞われる。『Black Rider』『Key West (Philosopher Pirate)』は、中盤のハイライトを成していたと思う。

『Rough And Rowdy Ways』を軸にしつつ、合間に往年の曲が織り混ぜられていて、多くの客にはこちらの方に馴染みがあってリアクションも多い。原曲からアレンジや歌い回しを大きく変えていても、わかる人は早い時点でわかるようだ。

『Gotta Serve Somebody』の後に、ディランがさらっとメンバーを紹介。そして『I've Made Up My Mind to Give Myself to You』を経て、ダン、ダン、ダン、ダダンダンという聴き覚えのあるビートのイントロ。来た。いやバディ・ホリーの『Not Fade Away』(ボ・ディドリーのリズムが引用されている)だ!ディランがバディ・ホリー、最高の組み合わせじゃないか!

ツアーのセットリストは固定かと思われていたが、東京2日目から異変が起こった。グレイトフル・デッドの曲を2公演続けて日替わりで入れてきて、超大御所がこんなフレキシブルなことやる!?と、一部では湧き立っていた。個人的には、この日はノーマルに戻すのではと、あまり期待していなかった。なので、ぶったまげてしまった。演奏がアウトロに差し掛かると、それまで後方から動かなかったトニー・ガーニエが足を進めてディランとの距離を詰め、ノリノリでベースを弾いていた。

ラストは、『Shot Of Love』の最終曲『Every Grain of Sand』。キリスト教期の作品であり、ジャケットがダサいこともあって、決して評価されているとは言いにくいアルバムだ。しかし、この曲の荘厳なメロディー、そして終盤でのディランのハーモニカには、もちろん価値がある。ライヴの場で再構築することによって、曲に新たな命が吹き込まれているのだ。

セットリスト
Watching the River Flow
Most Likely You Go Your Way and I'll Go Mine
I Contain Multitudes
False Prophet
When I Paint My Masterpiece
Black Rider
My Own Version of You
I'll Be Your Baby Tonight
Crossing the Rubicon
To Be Alone With You
Key West (Philosopher Pirate)
Gotta Serve Somebody
I've Made Up My Mind to Give Myself to You
Not Fade Away
Mother of Muses
Goodbye Jimmy Reed
Every Grain of Sand

終演後、2階のトイレは使わせてもらえず、下に降りてアリーナ階のトイレを使用させられる段取りになっていた。携帯の入ったポーチを解錠してもらうのに若干並んだが、思ったほど混乱も起こらなかった。「ディラン7年ぶり単独来日」という、新聞号外風の冊子ももらった。明日16日の公演にも足を運ぶので、あと1回ディランの勇姿を堪能することにする。

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