漫勉Neo 手塚治虫
NHKEテレで、漫画家が作画しているさまを撮影し、創作の秘密に迫る「漫勉Neo」という番組がある。不定期に放送され、浦沢直樹が進行を務めている。
先日は、手塚治虫を取り扱っていた。かつて手塚のアシスタントを務めたことがある漫画家3名が揃い、貴重な証言や原稿などが語られ、披露された。
3名は、いずれも1970年代後半にアシスタントとなり、『ブラックジャック』『三つ目がとおる』『火の鳥』などの作画に携わった。手塚からのネームでは、ブラックジャックのマントの下の腕の状態や前髪に被っている目の位置まで指示されていた。これらは、完成版ではベタ塗りになって見えなくなってしまうので、アシスタントだけが見ることができた。
当時はスクリーントーンもなく、背景もすべて手書きだった。手塚は、アシスタント用のテンプレートを用意していて、新人アシスタントは直線や曲線、模様などを半年でマスターしていた。ただ3人によると、たとえ1本の線であっても、描いた人の個性が出ているそうで、彼らが見れば誰が描いた線や背景なのかがわかるそうだ。
番組で故人を扱うのは、はじめてとのこと。しかし、存命時に作画中の手塚を撮影した番組が作られたことがあって、浦沢はそれを観たことが「漫勉」を始めるきっかけになったと言っていた。浦沢は、『鉄腕アトム』の人気エピソード『地上最大のロボット』を、別の角度から掘り下げて解釈を加えた『プルートゥ』を手がけている。
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