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ユリシーズ(1954年)

公開日: : 最終更新日:2024/01/08 神話・歴史

ユリシーズ(映画・1954年)

古代ギリシャ時代。イタカ国の国王ユリシーズは、トロイ戦役で戦果をあげる。船団を率いて故郷に帰国する途中、海神の怒りに触れてしまい、船は遭難。ユリシーズはひとり見知らぬ国に漂着し、記憶も失っていた。イタカ国では王妃ペネロペが王の不在を守っていたが、彼女の美貌と財産狙いの男たちに、求婚を迫られていた。

ユリシーズは漂着したスケリア島の王の娘ナウシカアに助けられ、王宮に迎えられる。御前試合での戦いぶりが王に認められ、ナウシカアはユリシーズに好意を持つ。しかしユリシーズは記憶を取り戻し、ポセイドンの息子のひとつ目巨人ポリュメポスや、海の怪物セイレーンらと遭遇していたことを思い出す。

ホメロスによる叙事詩『オデッセイア』の映画化になる。「オデッセイア」はラテン語、英語読みで「ユリシーズ」とのこと。ワタシは未読だが、興味はあったので、わかりやすい物語に仕上がっているのはありがたかった。

人間同士の争いだけでなく、神々や魔物も登場。ストーリーの大半はユリシーズが記憶を失っていた間の出来事になり、ポリュメポスはなんとか倒したが、セイレーンの歌声には惑わされ、ペネロペに瓜二つの魔女キルケには堕落させられかける。なかなかファンタジックな世界観だ。

ユリシーズはカーク・ダグラス。クライマックスでは弓矢を弾いてペネロペ狙いの男どもをつぎつぎに倒す立ち回りを演じ、アクションもこなしている。ペネロペとキルケは、シルヴァーノ・マンガーノという人が二役でこなしている。黒髪のペネロペは王妃らしく気品があり、一方の強大な力を持つキルケは、ブロンドで妖艶な魅力を放っている。

スケリア島の王の娘ナウシカアと聞いて、おやっと思った。少し調べてみて、『風の谷のナウシカ』のナウシカはココから引用し命名していると、宮崎駿が語っているようだ。優しくも勇ましいナウシカとはイメージが異なるように思えるが、すっきりさせるには『オデッセイア』を読む必要があるかもしれない。

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