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トム・ヴァーレイン(Tom Verlaine)『Warm And Cool』

公開日: : 最終更新日:2023/01/29 Television/Tom Verlaine ,

トム・ヴァーレイン(Tom Verlaine)『Warm And Cool』

トム・ヴァーレインのソロアルバム『Warm And Cool』を聴いた。トムは、70年代にはのフロントマンとして活動。2枚のアルバムを残して突如解散した後、マイペースでソロ活動を続けていた。この作品は92年リリースで、つまり10年以上前なのだが、最も最近のソロ作品になっている。輸入盤ではあるが、今回8曲のボーナストラックが付加されて再発されたのだ。

トムのソロ作品は、初期の頃はテレヴィジョンを思わせる「痙攣する」ギターノイズが軸になってはいたが、作品を重ねるにつれて、作風はポップになったりエレクトロ色が濃くなったりしている。そして今作は、なんとオールインスト。イージーリスニング調の曲があれば、ハワイアン調の曲もあり、どちらにせよかなりマニアックな内容だ。

今作の注目は、レコーディングに参加したメンバーだ。まず、テレヴィジョンのベーシストのフレッド・スミスと、のバンドのドラマーであるJ・D・ドーハティが参加している曲が1曲ある。そして他の曲では、テレヴィジョンのドラマーだったビリー・フィッカがスティックを握っているのだ。つまりはテレヴィジョンの3/4がここに揃ったわけで、これがテレヴィジョン再編につながっていったことは、想像に難くない。事実、同じ92年にテレヴィジョンは再結成し、バンド名を冠したアルバムをリリースしている。

ワタシは2002年と2003年にテレヴィジョンのライヴを見ているのだが、その演奏ぶりはパンクの性急さとは少し距離を置いた、クールなパフォーマンスだったと記憶している。『Warm And Cool』での演奏は、プログレでもなければフュージョンでもないのだが、淡々としながらも独自の展開を見せている。『Warm And Cool』は、再結成以降のテレヴィジョンの原点的な作品だったのかもしれない。

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