ワイルド・スピード（2001年）

ロサンゼルス。大型トラックが、改造車集団に襲撃される事件が多発。警察官のブライアンは、街中のクルマ好きの間で行われる夜間のストリートレースに潜り込み、大金が懸かったゼロヨンレースに出場。勝つことはできなかったが、周囲からは認められ、レースを仕切り自らもレーサーであるドミニクに接近する。

ブライアンは中国系ギャングのトラン一味がカーショップに発注した物品が襲撃事件に使われたものと一致することを掴み、警察上層部は一味を一斉検挙する（ブライアンは情報の確度が低いと訴えていた）。しかし物品は正規に購入されたとわかり、上層部はブライアンに責任を押しつけて真犯人の逮捕を命ずる。ブライアンは、ドミニクとその仲間たちの資金源を疑う。

見どころの大半は、ゼロヨンレースをはじめとするド派手なカーアクションだ。ドライバーの運転技術もさることながら、ターボチャージャーなどの噴射システムを車体に内蔵し、それをいつ発動させるかのタイミングがポイントになっている。

クライマックスの大型トラックとの攻防は、『マッドマックス2』を思い起こさせる。ラス前の列車との衝突は緊迫感がある一方、ラストは警察対犯罪者の図式を壊す幕切れになっている。使用されるクルマの多くは、シビックやスープラ、スカイライン、三菱エクリプスなど、日本車が遣われているのが興味深い。

ブライアンはポール・ウォーカー、ドミニクはヴィン・ディーゼル。本作はシリーズ化され、作品によっては出演がないこともあるが、ふたりにとって代表作となるシリーズになる。ドミニクの妹でブライアンと付き合うミアは、ジョーダナ・ブリュースターという人。ドミニクの恋人レティはミシェル・ロドリゲスで、本作の翌年に『バイオハザード』に出演している。

原題は『The Fast and the Furious』で、「ワイルド」も「スピード」もない。直訳すると「速さと激怒」という意味だが、「猛烈な勢いで」という熟語のようだ。Google翻訳にかけてみると、なんと「ワイルドスピード」と出てきた。シリーズが世の中に定着したことの、証だと思う。