Cocco@Zepp Tokyo
今年はデビュー15周年だそうで、8月にベスト盤をリリース。それにリンクした全国5ヶ所ツアーの初日だった。
予定時間を10分ほど過ぎたところで客電が落ち、いつものようにメンバーは花を抱えて登場。ベース高桑、ドラム椎野、ギター大村達身と藤田、キーボード堀江博久という面々は、ここのところの固定メンバーだ。
coccoは白いドレス姿で登場し、『カウントダウン』~『強く儚い者たち』~『Raining』と続く。と、ここでこの曲順がベスト盤通りであることに気づく。まさか、ベスト盤をまるまる全曲演奏?曲間になるとステージは暗転し、メンバーは楽器を交換したり水を飲んだりする。この間場内はしぃんと静まり返っていた。
Coccoは細い腕を震わせ、上体を大きく揺さぶるようにして熱唱する、いつもの歌い方。序盤はかなり力んでいたように見え、またバンドとのコンビネーションも今ひとつだったように見えた。しかしPAを微調整したのか、いつのまにか違和感がなくなっていた。コーラスのほとんどは高桑が担っていた。2人のギタリストだが、イントロのリフは藤田、間奏のディストーションを効かせたソロを大村、という分担が大半だったように思う。曲間、Coccoと堀江の間にあるツリーチャイムを、(恐らく2人のどちらかが)触って音を出していた。
『焼け野が原』までアルバムまんまかと思ったが、どうやら微妙に異なっていたようだ。『Rainbow』ではCoccoもギターを弾いた。『blue Bird』『ガーネット』といったレアナンバーの後、堀江と椎野によるインターミッション的なプレイがあり、そしてCoccoは麦藁帽子を被って生還。曲はSinger Songerの『初花凛々』で、ベスト盤に入っていない言わば超レアナンバーだ。
ここからは『音速パンチ』『ニライカナイ』『絹ずれ』など、比較的近年の曲が中心となり、『玻璃の花』の後でCoccoがやっとしゃべった。しゃべらないつもりはなく、ただ「忘れていた」だけなんだと。メンバー紹介やちょっとしんみりする話などを経て、ラストは新曲だ。最後は演奏が止まり、バンド全員によるアカペラとなった。
パフォーマンス自体は、さすがにこれまで何度も観てきて慣れてしまったのか、大きな衝撃を受けることはなかった。がしかし、ラス前まで全くMCがなく、前半はほぼベスト盤通りだっただけに、このライヴいったいどうやって終わるんだろうと、緊張しはらはらしながら観ていた。MCなしのCoccoライヴもアリと思っていたが、幕引きの前フリとしてあれはあれでよかったのかな。
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