インターステラ5555
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最終更新日:2022/09/19
松本零士
フランスの覆面テクノユニットであるダフトパンクと、日本漫画界の巨匠松本零士のコラボレートによるアニメ作品、『インターステラ5555』を観た。とある平和な惑星で活動するロックバンド「クレッシェンドールズ」が誘拐され、肌の色を変えられ記憶を消され、地球で活動するよう仕向けられるというもの。クレッシェンドールズはヒットを飛ばし、栄誉にも輝くが、やがてバンドと同じ惑星からやってきた若者の死と引き換えの救助により、彼らはやがて自分たちの星へと帰って行くというのが、大まかなストーリーだ。
登場人物には一切のセリフがなく、映像の動きに合わせてダフトパンクの『Discovery』全曲が曲順もそのままに流れるという構成。ミュージカルアニメとでも言えばいいのだろうか。そしてこの映像、『One More Time』からの冒頭3曲の映像はPVとしてテレビで観たことはあるのだが、その先はどうなるのかなあと興味深々だった。ちゃんとお話が成り立っているのがすごいと思うし、ダフトパンクの曲には歌詞がほとんどない分、やりやすかったのかもしれない(ストーリーのアイディアは当人たちも出したようだ)。
日本の漫画やアニメーションは技術もストーリーも超一級だと思っていて、近年は特に海外からの評価も高い。そしてフランスという国は、かなり前から日本のアニメに対する人気が高かったと聞いている。ダフトパンクのメンバー2人も、子供の頃『キャプテン・ハーロック』を観て大きな影響を受けたとのことで、PV作成を松本零士本人に依頼するため何度も来日。松本零士の方も、世代を超えてしかも海の向こうからラブコールをされたとあって、このコラボレートに乗った様子だ。ワタシも小中学生のときは『銀河鉄道999』や『戦場まんがシリーズ』などに熱中していたので、こうした形で日本の文化が脚光を浴びるのは僭越だがまるで自分のことのように嬉しい。と同時に、日本のアーティストでこういうことを考えるヤツはいなかったのかと、ちょっぴり悔しい気もする。
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