YMO『ウィンター・ライヴ’81』
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最終更新日:2022/09/13
YMO/Sketch Show YMO, 坂本龍一, 細野晴臣, 高橋幸宏
ymoは、1981年にリリースしたアルバム『テクノデリック』に伴うツアーを敢行。新宿コマ劇場公演を収録したDVDを観た。
がしかし、序盤10数分は音こそ流れてくるが、メンバー3人の姿はおろかステージもほとんど映らない。工業地帯の鉄骨やバルブ管、3人のアップや全身ショットのコラージュなど、イメージ映像が延々繰り広げられる。
中盤から、ようやくステージの様子が確認できる。赤・緑・青の三原色に彩られたセットがあるが、その造形がなんとも斬新で、およそ他のアーティストのライヴでは観たことがない。このセットだけでも、アートとして成り立っている。3人は、向かって右から左に細野晴臣、高橋幸宏、坂本龍一の並びになっている。サポートメンバーはひとりで、「第4のYMO」と呼ばれた松武秀樹が、細野と幸宏の間に陣取っていた。
セットリストは『BGM』『テクノデリック』の2枚を中心としていて、実験的な音楽性の再構築はライヴならではの臨場感は薄い。今でこそ評価の高い2作だが、当時のメディアやファンへの受けはどうだっただろう?商業性の薄さは、なんでもやれる状況の裏返しだろうか。
『Neue Tanz』では坂本がギターを弾き、『Cue』では幸宏がドラムを離れてヴォーカルに徹し、坂本がドラムを叩くという、意外なスタイルも(ただ、当時では通常おこなわれていたことのようだ)。『Taiso』では、体操着姿のダンサーが出てきて体操ダンスを踊っていて、このときだけ肉体性を帯びたパフォーマンスになっていた。
収録時間が60分と短めなのが、少し残念。そもそも、ライヴそのものをダイレクトに伝えるのではなく、この映像をコンセプチュアルなアート作品としてまとめ、その一端にライヴがあるかのようだ。今の3人はすっかり大御所だが、ココではまだ若々しく挑戦的な姿を確認できる。
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