スラムドッグ$ミリオネア(2008年)
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最終更新日:2023/10/14
ドラマ
インドのスラム街で育ったジャマールは、テレビの人気クイズ番組「ミリオネア」に出演。次々に正解を出し、あと一問でパーフェクトというところで番組がタイムアップに。続きは翌晩の放送に持ち越されたが、テレビ局から出る際にジャマールは逮捕されてしまう。教育を受けていないジャマールが正解を連発できるわけがなく、何かしらのイカサマをしたのではという疑いをかけられたのだ。拘留されたジャマールは、問題の正解が全て自分が体験してきたことの中で知ったことだと、警官に話し出す。
拘置所の中/クイズ番組のスタジオ/過去、といった具合で場面は目まぐるしく変わり、過去の場面はジャマールの貧しく悲惨な生い立ちが延々と綴られる。イスラム教とヒンズー教との対立の中で母を失い、兄と共に必死で生き延びる。兄は裏の世界に足を踏み入れて悪の道に走り、ジャマールは幼馴染で初恋の人であるラティカを追い続ける。ラティカはマフィアの愛人になっていた。ジャマールが番組に出たのは、金が欲しいからではなく、ラティカがどこかで番組を観ているはずだと思ったからだった。
ワタシは愛だの恋だのといったのは今さらで、そこに感情移入することは全くなかった。最後には富を手にしラティカとも再会を果たし、貧困から始まったのができすぎたハッピーエンドすぎて、なんじゃこりゃと重箱の隅を突っつきたくなるくらいだ。
ではそんなワタシが楽しめなかったのかというと、そうではない。実際長男であるワタシは、ジャマールの兄に感情移入しながらこの作品を観た。拳銃でマフィアを殺し、ジャマールに対しても何度となくひどい仕打ちをしているこの兄は、どうしようもないヤツと言ってしまえばそれまでだ。しかし、要所でジャマールを救っているのも、またこの兄なのである。最後はラティカに自分の携帯を渡してマフィアから逃がし、ジャマールのもとに向かわせる。もちろんその後には、マフィアの報復を受けるとわかっていながらだ。
ダニー・ボイルが監督し、アカデミー賞8部門を受賞。日本では、欧米から遅れて2009年春に公開された。
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