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ボブという名の猫2 幸せのギフト(一部ネタバレ)

公開日: : 最終更新日:2022/03/03 ボブという名の猫

ボブという名の猫2 幸せのギフト

クリスマスの時期、愛猫ボブと自身のことを書いた書籍がベストセラーになり、出版社主催のパーティーに出席したジェームズ。その帰り道、ストリートライヴを咎められる若者を弁護し、彼に食事を奢る。宗教の勧誘かと怪しむ青年に、ジェームズは数年前の自身のクリスマスのことを話す。

ボブと暮らすジェームズは、ギリギリの生活で電気代も払えず、何度も止められてしまう。ストリートライヴやビッグイシュー販売で生計を立てていたが、募金を募る団体の男とトラブルになりかけたり、同じくビッグイシューを販売する男に目をつけられたりする。そして保健所の係員からは、ボブを安全に飼えているのか疑いをかけられる。

ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』の、続編になる。前作はボブとの出会いや隣人ベティのサポートなどで薬物依存を克服し、書籍の出版に至るという、感動のラストだった。なので、劇中時間軸の大半を占める数年前のクリスマスで、ジェームズが依然として生活に困窮していることにまず驚かされる。ただ、街の人たちにボブとジェームズはそれなりに顔が売れていたので、恐らくは書籍の出版前後の時期と思われる。

今回も苦境に立たされるボブとジェームズだが、そんな彼らを支えるのは、ボランティア団体のビー、近所のコンビニ店主ムーディら。ジェームズを睨んでいた(と思われた)ビッグイシュー販売員とも、後に誤解とわかりふたりは打ち解ける。男女で行動する保健所の職員は、男の方は偏見を持ち突っかかり気味だが、女性の方は冷静で正しい判断を下そうとする。

クライマックスは、保健所職員が調査結果を伝えるシーンだ。ジェームズも、自分と離れて施設で暮らす方がボブの幸せのためなのではと考えるようになり、その意思を伝えようとする。その一方、ネットの署名が保健所に届き、ムーディの密かな行動によってボブとジェームズを支持する人たちが集まってくる。果たして、保健所が下した判断は・・・。

ジェームズがストリートライヴやビッグイシューを販売する場所が、前作と変わらずコヴェント・ガーデンやエンジェル・ステーションだった。個人的にに旅行した際、前作を観たことがきっかけでコヴェント・ガーデンに立ち寄り、作品に思いを馳せた。

前作から引き続き出演しているのは、恐らくボブ(「himself」とクレジットされている)とジェームズのルーク・トレッダウェイだけだと思う。ボブ好きのおばあちゃんがどちらにも出ているが、同じ人かそれとも別の人か。前作ではラス前でジェームズ本人がカメオ出演していたが、今回は気づけずじまいだった。もし出ているとすれば、クライマックスか、もしくは冒頭のパーティーのシーンではと推測する。

本国イギリスでは、本作は2020年暮れに公開された。そしてその約半年前に、残念ながらボブは亡くなっている。合掌。

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