トレイン・ミッション(2018年)
元警官で保険セールスマンのマイケルは、定年を前にしてリストラされてしまう。警官時代の相棒で親友のマーフィーと落ち合った後、帰宅途中の電車の中でジョアンナという謎の女性に声をかけられる。彼女は、10万ドルである依頼を請け負うようマイケルに持ちかける。
その依頼とは、電車内にいるフリンという人物のカバンを奪うことだった。マイケルは戸惑いつつ、指定された場所に札束があることを確かめる。しかし、明らかに不審なことからマーフィーに連絡すると、ジョアンナはマイケルの顔見知りで電車を降りた老人を殺害。更に、取引に応じなければマイケルの妻と息子に危険が及ぶことをほのめかす。
マイケル目線だと、電車内の乗客は誰も彼もみなあやしく見えてしまう。そしてこの映画を観る側の目線としては、マーフィーも、そしてたまたま2人の近くに居合わせた元同僚の警部までも、あやしくみえてくる。依頼では終着駅に着く前までにカバンを奪わなければならないが、マイケルはフリンを探しつつ事件を防ごうともする。
マイケルを演じるは、リーアム・ニーソン。事情を抱えつつ事件に巻き込まれる中年男というシチュエーションは、もうすっかりこの人に定着してしまった。『フライト・ゲーム』では、航空保安官ながらアルコール依存症で、任務のため乗り込んだ飛行機の中で、現金を出さなければ乗客を殺すと脅される。調べたらどちらも監督は同じで、ジャウム・コレット=セラという人だった(『アンノウン』でも、リーアムとコンビを組んでいた)。
ジョアンナはヴェラ・ファーミガで、『ミッション:8ミニッツ』『デンジャラス・ラン』で観たことがある。マーフィーは、パトリック・ウィルソンという人、警部はサム・ニールだったが、役柄もあってか風貌は老け込み恰幅のいい体格になっていて、『ジュラシック・パーク』のグラント博士と同じ人には見えなかった。乗客のひとりの女性を演じていたのが、『ブラック・ウィドウ』でナターシャの妹分エレーナ役のフローレンス・ビューだった。
本筋とは関係がないが、冒頭でマイケル一家は息子の大学入学を控えて金銭的に不安を抱えている描写があった。それがシラキュース大学で、調べたら私立の名門大学とあった。個人的には、ルー・リードが卒業(中退という記事もある)した大学として名称だけは知っていた。また、ラス前でマイケルが家族に迎えられるシーンがあるが、息子が着ていたのはクラッシュのTシャツだった。
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