ナンバーガール(NUMBER GIRL)@ぴあフェス2021
個人的に今回6組のアーティストを観たが、その中ではかなり異質だった。もちろん、いい意味で。もともとコール&レスポンスや拍手を客に求めるスタイルではなく、場内の一体感を生むバンドではない。むしろその真逆で、客に音圧の刃を突きつけてついて来れるのかを問いつつ、異次元に誘うかのようなパフォーマンスだった。
カメラのスイッチングは目まぐるしかったものの、向井を少し多めにしつつほか3人のピックアップ度も高かった。個人的にはドラムのアヒト・イナザワに定点カメラがセットされていたのが嬉しかった。ドラマーはリズムの要を担い運動量が多いにもかかわらず、ドラムセット内に収まっていて客席からは注目されにくい。今回、アヒトのパワフルなプレイを何度もスクリーンで観られたのは嬉しかった。
ギター田渕ひさ子、ベース中尾憲太郎は、見た目もプレイも以前とあまり印象が変わらない。しかしフロントマンの向井は、スクリーンでアップを観ると顔に年輪が刻まれているのが感じられた。ナンバーガールは基本的にライヴ中楽器交換をしないバンドだが、向井は曲間にテレキャスターのチューニングを丹念におこなっていた。
音量と音圧のすさまじさは、インドアフェスでほかのアーティストを体感していると、なおのこと実感できる。ナンバーガールにとっては当たり前のことが、実は大きく秀でていることなのだ。向井とひさ子の2本のギターの絡み合いは、向井が敬愛するテレビジョンを彷彿とさせる。が、中尾のベースと2人との絡み合いもあって、これはナンバーガールならではの醍醐味だ。
終盤、ついに『OMOIDE IN MY HEAD』が炸裂。実はレキシのときに、『OMOIDE IN MY INAHO』は絶対ダメだぞというMCがあった。これをフリと捉え、やらかす人が何人かはいるんじゃないかと、場内を見回してみた。が、見当たらなかった。レキシのときとは空気感が違いすぎたので、そりゃそうか。
個人的なぴあフェス参加は、ここで終了。PIAアリーナを後にし、帰途についた。
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