ニルヴァーナ(Nirvana)『Live! Tonight! Sold Out!!』
ニルヴァーナ活動時期から、バンドの意向によって制作されたライヴ映像集。バンド解散後の1994年11月にVHSでリリースされ、2006年にボーナス映像が付加されてDVD化された。
ライヴハウスでのライヴやフェス出演時のもの、テレビ番組でのショットなどが、ランダムに配列されている。日本の、恐らくはCS番組と思われる映像も使われていた。曲間にはバンドのインタビューやオフステージの様子などが必ず挿入され、ドキュメンタリー的な側面も見せている。91年から93年のライヴ映像を集めているが、『Nevermind』のツアーになっていて、『In Utero』からの曲は収められていない。
急激にスターダムにのし上がってしまい、カリスマ視されてしまったことに対するカートの戸惑いが見え隠れしていて、女性のスリップ姿でステージに立ったり、着ぐるみでテレビに登場したり、と、自ら道化を演じているさまには観ていて複雑な思いにさせられる。その極め付けがテレビ出演時の『Smells Like Teen Spirit』で、どうせ当て振りだからとクリスとカートは演奏と動きがまるでバラバラ、カートのヴォーカルは原曲とはまるで異なる野太く気だるい歌い方になっていて、ファンの過剰な期待を削ぐようだ。
『Something In The Way』は、日本公演の映像らしい。英語の原文クレジットには91年東京とあるが、日本のライナーでは92年大阪では?と記載されている。本編ラスト『Endless, Nameless』の後には、隠しトラックとして『On A Plain』のリハーサル映像が収録。ボーナス映像は、オランダはアムステルダム公演から5曲が収録されている。
VHSリリース当時はほとんどこれしかニルヴァーナのライヴを楽しめる映像がなく、個人的には本作をリアルタイムで購入して観ていた。現在は、レディングフェスティバルやボックスセットのDVDなどで、ライヴ映像を観ることができる。もちろん嬉しいことだが、VHSで観ていた頃が懐かしくもある。
関連記事
-
ニルヴァーナ(Nirvana)『Classc Albums : Nevermind』
ロックの名盤アルバムが如何にして作られたかを検証する、『クラシック・アルバムズ』シリーズ。ワ
-
12-12-12コンサートでポール・マッカートニーとデイヴ・グロールのニルヴァーナ再結成、新曲を演奏
ニューヨークで行われた「12-12-12:Concert For Sandy Relief」
-
ニルヴァーナ(Nirvana)『In Utero 20th Anniversary Edition』
1993年にリリースされた、ニルヴァーナのサードアルバム『In Utero』。2011年の『
-
COBAIN モンタージュ・オブ・ヘック(2015年)
ニルヴァーナのカート・コバーンのドキュメンタリー映画だが、それまでに制作されたドキュメンタリ
-
ニルヴァーナ(Nirvana)『With The Lights Out』
ニルヴァーナのボックスセットが、2004年11月にリリースされた。未発表音源満載の3枚組で、