カート・コバーン – All Apologies(2005年)
ニルヴァーナの、というより、カート・コバーンの半生を綴ったドキュメンタリー映像『All Apologies』を観た。
収録時間は約60分だが、前半30分はニルヴァーナの活動に、後半はカートの死に、それぞれスポットを当てている。構成は当事者や関係者によるコメントを軸とし、合間にニルヴァーナのライヴ映像を添えている。コメントを発するのは、NMEやローリングストーンなどの記者、DJといった周辺にいた人たち。では当事者とは、カートその人であり、クリス・ノヴォゼリックであり、デイヴ・グロールであり、『Breach』のプロデューサーであり、初代ドラマーだったチャド・チャニングだ。
デイヴ・グロールのコメントはわずかしかなく、またチャド脱退~デイヴ加入の経緯にも触れられていない。その代わり、チャドが雄弁にニルヴァーナやカートを語る場面がやたらと多く、その意味では貴重な映像と言えるかもしれない。ライヴシーンも観たことのないものが多く、特にラストライヴとなった94年3月のドイツ公演が収録されているのはこれまた貴重。ただし、曲の完奏は全くなく、断片的になっているのが残念だ。
そのライヴのシーンだが、演奏そのものよりもステージ上での暴れっぷりを捉えたものの方が多く、カートとクリスがギターとベースをぶつけて壊したり、カートがドラムセットに突っ込んだり、と、やりたい放題。そしてカートが死にニルヴァーナが消滅してもう10年以上が経つが、ニルヴァーナが残した音楽は永遠不滅である。
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