サイボーグ009VSデビルマン
石ノ森章太郎原作の『サイボーグ009』と永井豪原作の『デビルマン』のコラボレーション作品が、2015年から2016年にかけて全3話のOVAとして制作された。作者の異なる作品のコラボレーションは異例だが、永井は石ノ森のアシスタントをしていて、言わば2人は師弟関係にある。
001イワンと飛鳥了が、「悪魔」の出現を察知。ギルモア博士たちはブラックゴーストの、了はデーモンの、新たな敵と意識する。002ジェット、004アルベルト、008ピュンマは、ブラックゴーストが新たに産み出した、0014以降の「ハイティーン・ナンバー」サイボーグと遭遇する。不動明と牧村美樹が通う高校に、エバという転校生がやって来る。
ブラックゴーストのアダムス博士は、0018セトとデーモンのアトゥンを融合させた上改造し、サイバネティックデーモンを生み出す。エバの正体は0015で、デビルマンをおびき寄せるために美樹を誘拐。エバが協力したのは、セトが弟であり彼の延命のためだったが、サイバネティックデーモンはアトゥンの意思が上回り、アダムス博士を惨殺する。
時代は、現代に設定している。了は、自宅で無線マウスを使ってパソコンを操作している。002はみなとみらいを、004は渋谷を、008は六本木を捜査していて、彼らが街並みの中に収まっているのはなんだか嬉しい。
ストーリーはもちろんオリジナルだが、両作品の原作や、作者の他の作品の要素がふんだんに取り込まれていて、原作を知っているとより楽しめる。冒頭は、『009』は「ミュートス・サイボーグ編」、『デビルマン』はジンメンとの戦いになっている。
原作に対する配慮も感じられ、009たちを狙うナンバーは0013までで、今回は0014以降になっている。序盤に登場するデーモンはオリジナルだが、原作にあるデーモンの要素を組み込んでいる。エンディングには、原作の作画が引用されていて、これだけでも観ていてテンションが上がる。
サイバネティックデーモンとの戦いの後は、「地下帝国ヨミ編」の導入があり、自宅で了の背後にサイコジェニーが迫っている。にやっ。
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