装甲騎兵ボトムズ@BSアニメ夜話
NHK-BS2で不定期に放送されている、BSアニメ夜話。名作から知る人ぞ知る作品まで、さまざまなジャンルからランダムに作品を取り上げて再検証する番組だ。4夜に渡って放送されていたのだが、第2夜で『装甲騎兵ボトムズ』を扱っていた。
アストラギウス銀河において、ギルガメスとバララントという2つの勢力が、100年にも渡って戦争を続けていた。戦争の中で主力兵器となったのは、全長約4メートルのアーマードトルーパー(「AT」=「末端」もしくは「最低の」という意味で「ボトムズ」と称されている)であり、主人公キリコ・キュービィーは優れたボトムズ乗りだった。無口で戦うことしか知らなかったキリコは、偶然知り合った仲間たちとの交流の中で少しずつ感情を表に出すようになる。また、戦争のための兵器として培養されたフィアナとの触れ合い、同じ戦闘能力を持つイプシロンとの戦いを経て、アストラギウスを司る絶対的な存在ワイズマンとの対決を迎えることになる。
テレビ版は約1年に渡って放送されていて、舞台は大きく4つに分かれている。今回のアニメ夜話では、ウド=ブレードランナー、クメン=地獄の黙示録、サンサ/クエント=SF映画というように語られていて、クメンについてはなるほどと思った。作家福井晴敏はボトムズが『あしたのジョー』を踏襲していると指摘し、キリコ=ジョー、ゴウト=丹下段平、フィアナ=白木葉子、イプシロン=カーロスという、独自の論を唱えていた。番組には制作に携わっていた人も参加していて、4人の脚本家が好きなように書き、行き当たりばったり的な手法でも制作ができたというエピソードを紹介。ATを全長4メートルとしたのも、操縦席の人間と足元に立つ人間とが会話できる距離、ということで決まったそうだ。
ボトムズは、テレビ版だけに留まらず、サイドストーリーがオリジナルビデオとしていくつも作られている、非常に優れた作品である。決して最大公約数的に支持されたり、社会現象になったりする作品ではないが、ロボットアニメの極北的作品として、その評価は今や絶対的なものになりつつあると言っていい。ワタシも非常に好きな作品で、ガンダムをビートルズとするならば、ボトムズはヴェルヴェット・アンダーグラウンドのような存在ではないかと思っている。
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