神奈川初のドルビーシネマ、T・ジョイ横浜
長らく工事中だった横浜駅ビルが、今年改装が完了しオープン。シネコンも入ることは聞いていたが、それがバルト9やブルク13系列のT・ジョイと知ったときは、少しがっかりした。個人的なことだが、会員になっているシネコンではなかったし、以前ブルク13では仕切り面で嫌な思いをしたことがあったからだ。
T・ジョイ横浜オープン後も、ちょくちょくネットでチェックしていた。上映作品は、アニメが圧倒的に多い。コロナ禍のためか、それともそういう趣向の劇場なのか。様子見状態をしばらく続けていたが、「AKIRA」がドルビーシネマでココで上映されると知り、先日行ってきた。
ドルビーシネマの劇場は、日本で7館、神奈川では初というキャッチコピーを見て、事前に調べてみた。ドルビーシネマは、映像面でのドルビービジョン、音響面でのドルビーアトモスという、2つの機能を軸にしている。ドルビービジョンは、黒をほんとうに黒く表示させ、色彩のコントラストが鮮やかで、緻密な画質を表現するとある。黒をより引き立たせるためもあってか、シアターの内装は黒を基調としている。
ドルビーアトモスは、128チャンネルのスピーカーにより音響を立体的に表現するそうだ。音響が充実したシアターはだいたい5.1チャンネル、池袋グランドシネマサンシャインのimaxシアターで12.1チャンネルとのこと。TOHOシネマズの一部シアターにも導入されているが、それと全く同じなのか、それともドルビーシネマの方がより秀でているのだろうか。
さて「AKIRA」だが、ドルビーアトモスについては、その効力を実感。音響が立体的に発信されていて、臨場感に溢れている。対してドルビービジョンだが、黒が真っ黒であることや、コントラストが鮮明であることを一部で実感はしたものの、画質の緻密さや色味の鮮やかさについては感じることができず、1988年公開時の色褪せた色味や画質のままだと思った。ただ、これはドルビービジョンというより、元のフィルムにリマスター処理がなされたかどうかという問題の可能性がある。
ドルビーシネマは、IMAXと同等の位置づけにあるとされ、料金も通常シアターより500円増しになっている。これまでIMAXやIMAXレーザーで多くの作品を観てきた身としては、現時点ではIMAXの方が優れていると、どうしても感じてしまう。ただ、「AKIRA」1作だけで結論を出してしまうのは早いとも思っていて、今後新作が公開され、タイミングが合えばまた利用してみたいと思う。何より、横浜駅直結のシネコンは、個人的には川崎にまで行くよりも断然アクセスがいいので。
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