ルー・リード(Lou Reed)『Live At Montreux 2000』
ルー・リードのライヴDVD『Live At Montreux 2000』を観た。その名の通り、2000年7月のモントルー・ジャズ・フェスティバルに出演したときの映像だ。
この年、ルーは意欲作『Ecstacy』をリリース。10月には来日を果たしていて、ワタシも赤坂Blitzに観に行っている。恐らくバンドメンバーは来日時と同じと思われ、ギターがマイク・ラスケ、ベースがフェルナンド・ソーンダース、ドラムがトニー・スミスとなっている。90年代のルーは、メガネをかけた知的な面持ちで落ち着きを感じさせ、淡々とギターを弾きながら歌う感じだった。これはこれで、大人の鑑賞に耐えうる味わいのある佇まいだったのだが、この年のルーは違った。アルバムの充実ぶりがそのまま反映されたかのように気迫がみなぎり、鬼気迫るパフォーマンスをしていたのだ。
選曲は、その『Ecstacy』からを軸とし、前作に当たる『Set The Twilight Reeling』、89年作『New York』等、この人のキャリアの近年の作品から重点的にセレクトされている。キャリアを代表する曲は、ラストの『Perfect Day』くらい。よって、ルー・リード初心者には少しハードルが高いかもしれないが、ある程度もしくはそれ以上にルー・リードを知る人にとっては、十分に楽しめる内容になっている。
モントルーのライヴを映像化するアーティストは、決して少なくない。その理由は、観客の耳が肥えていること、そして演奏そのものが主役のようなところがあるからだと思う。ここでも各メンバーのソロがあり、またルー自身によるノイジーでメタリックなギターソロがあり、それを逃がさんと凝視するオーディエンスの視線があり、と、ロックのライヴとは少し雰囲気が異なりはするが、この人のライヴにはマッチしている。
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