オアシス(Oasis)『Don’t Believe The Truth』を聴いた
オアシスの新譜を聴いた。個人的意見としては、かなり「微妙」だ。これまでオアシスの作品を聴いてきて、気持ちがネガティブになることはなかったのだが、今回は・・・。
リアムばかりかアンディ・ベルやゲム・アーチャーまでもが曲作りに参加した、というのがこの作品の最も大きなトピックだと思う。これまでほとんどノエル一辺倒だった曲調が多彩になり、幅を広げたと言えなくもない。スタジオレコーディングのアルバムとしてはまずまずといったところだろうか。がしかし、2人の参加がそのまま結果に結びついているとは思えない。どの曲も混沌としていて、決定打に欠ける。といってコンセプチュアルであるわけでもなく、もちろんアルバムとしてのトータル性もない。
そして最も不安なのは、ライヴ映えしそうな曲が『Lyla』以外に見当たらないことだ。現在オアシスはクラブツアー中で、セットリストを調べると『Lyla』以外にも5曲ほど演奏しているが、いったいどんな具合になっているんだろう、と首をかしげてしまう。先日のオアシス祭のライヴ映像を見て改めて感じたのは、1stや2ndからの曲を演奏しているときは、場内のテンションは尋常ならぬ高さにまで引き上げられることだ。今作の曲がそれらに抗しうるとは、どうしても思えない。新作の曲と昔の曲との間に起きてしまうクオリティの落差。これは、ワタシがライヴを観る上で最も恐れていることだ。
オアシス祭のときは、BGMとしてそれとなく新作の曲が流れていた。聴いていて、ピンと来なかった。いや待て、まだしっかりと聴いたわけではないし、買って聴いてから考え直そう、と自分に言い聞かせた。CDを買い、続けて2度聴いた。それで得た感触が、上に書いた通りだ。5年後、この作品はどういう位置づけになっているだろう。『Lyla』が収録されているだけの作品、というところに収まっているのでは?その『Lyla』にしたって、アンセムではあるが決して名曲ではない。
ただ、光明がないわけでもない。ドラマーがアラン・ホワイトからザック・スターキーに代わり、またアンディやゲムのバンドへの浸透度も深まったことで、ライヴバンドとしてのオアシスは、キャリアを通じて最強になりつつある。発売直後でワタシが上記のような感想を抱いたとしても、サマソニや恐らくその後に組まれるであろう単独再来日公演で実際にナマを体験すれば、また見方は変わってくるかもしれない。
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