フェスティバル・エクスプレス(Festival Express)
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最終更新日:2020/10/02
Janis Joplin ローリング・ストーンズ
70年に行われたフェスティバルを捉えた劇場用映画。期待以上の密度の濃さだった。
主催者と出演アーティストが、列車を借り切って北米を移動し、各地でフェスティバルを開催するという趣。車内でもジャムセッションが頻繁に行われる。会場では、ファンが無料で入場する権利を主張し(今じゃ到底ありえない)、主催者側や警官隊と小競り合いに。市長が人気取りのために無料開催を迫るなど、なんだかもうむちゃくちゃだ。
出演アーティストは、ジャニス・ジョプリン、グレイトフル・デッド、ザ・バンド、バディ・ガイなど。ジャニスのパフォーマンスは映画『ジャニス』と結構被っているが、ザ・バンドは全て未発表とのこと。バディ・ガイは、近年はローリング・ストーンズのライヴへのゲスト出演などで観ることができるが、かなり太めになり、大物臭が出ている。しかしここでは、体型がスリムなばかりか、ギターを弾くさまも荒々しくエネルギッシュで、そしてそのさまがとてもカッコいい。
映像は、もちろん当時の模様が中心なのだが、主催者や出演したアーティストがこの映像のためにインタビューに応え、画面が二分割となって進行するところもある(ほぼ同時代の「ウッドストック」を思い起こさせる)。古い映像のはずなのに古臭さがなく、新鮮に受け取れる。これがすごい。もう天の上の人となってしまったジャニスやジェリー・ガルシア、リック・ダンコらが、ここではとても輝いているのだ。
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