007 ゴールデンアイ(1995年)
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最終更新日:2023/02/14
ピアース・ブロスナン 007シリーズ
ソ連崩壊前の化学工場に潜入していた、MI6のアレックとジェームズ・ボンド。アレックはソ連のウルモス大佐に捕らえられてしまい、ボンドはやむなく工場を爆破して任務を完遂する。それから数年後、ロシアの犯罪組織ヤヌスのゼニアはウルモフと結託し、宇宙空間に滞在する兵器ゴールデンアイの起動キーを奪取。その証拠を消すため、ゴールデンアイを使って地上の基地を爆破する。
基地に勤めていた女性コンピューター技士ナターリアは、奇跡的に脱出。爆破の様子を衛星中継で見ていたボンドは、ヤヌスの手がかりを求めてロシアのサンクトペテルブルクに向かう。やがて、ゼニアを通じてヤヌスの幹部との接触に成功するが、ヤヌスのトップは死んだと思われていたアレックだった。
ティモシー・ダルトンのボンドは2作にとどまり、本作からピアース・ブロスナンに交代。この人の公開時年齢は42歳だった。マネーペニー役も交代、そしてMはジョディ・デンチに交代している。ITインフラの方も、インターネットが登場するなど、ハイテク化が進んでいる。時代背景も東側諸国民主化の国際情勢を汲んでいて、つまりは総体的にリフレッシュを図りつつ、以降のダニエル・クレイグ版にまで直結する作風の原点になっていると思う(ただ、ティナ・ターナーによる主題歌は、作風がショーン・コネリー時代やロジャー・ムーア時代の前半に寄っていると感じる)。
アクションにも力が入っている。これまでの作品では、飛行機やヘリコプター、ボート、スキー、もちろんカーチェイスなどいろいろあり、前作「消されたライセンス」ではタンクローリーでの攻防だった。今回は、ボンドが戦車を操縦してサンクトペテルブルクの市街地で敵とやり合っている。歴代作品でやっていないことに取り組もう、という姿勢が伺える。
ボンドガールのナターリアは、ポーランド出身のイザベラ・スコルプコという人が演じている。ショートの黒髪で、コンピューター技士という役柄のためか、服装も平凡。歴代ボンドガールは、役柄に関わらず色気がにじみ出ていることがほとんどだったが、彼女はかなり地味だ。しかし、前半は基地爆破の中を必死に逃亡するさまに時間が費やされ、登場率がかなり高い。後半ではボンドと行動を共にし、ゴールデンアイの起動コードを書き換えるなど、事件収束にひと役買っている。
前作からは6年のインターバルはシリーズ最長だが、これは意図的なものではなく、権利関係の整理に時間を要したためとのことだ。
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