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鉄人28号 白昼の残月

公開日: : 最終更新日:2020/05/28 横山光輝

鉄人28号 白昼の残月

昭和30年代。戦後の復興を続ける日本において、少年探偵金田正太郎と鉄人28号が活躍していた。ある日、不発弾を狙うロボットとの攻防の中、ある青年が鉄人を操縦してロボットを倒す。その青年は金田正太郎の実父金田博士の養子ショウタロウだった(つまり2人は義兄弟の関係)。ショウタロウはもともと鉄人の操縦をすべく訓練を受けていたが、戦争に出兵していて帰国したばかりだった。また金田博士の遺言には「鉄人は正太郎に」とあり、ショウタロウは複雑な想いを抱えながら正太郎に鉄人の操縦法を教える。

不発弾は廃墟弾なる最終兵器であり、東京の奥底にまだまだ埋設されていることが判明。アメリカからは廃棄弾処理用ロボットを売り込みに来る一団がある中、鉄人は操縦の制御がきかなくなり、廃墟弾のもとへ。やがて、地底から無数の廃墟弾を内包した大鉄人が姿を見せ、鉄人は大鉄人の暴走を食い止めるべく対峙する。

2007年に新宿の映画館で上映されたアニメ映画で、DVDは2008年5月21日にリリース。DVDに先んじてBSで放送されてしまったという、珍しいケースである。中盤までは謎の復員兵がちらついたり、正太郎とショウタロウの微妙な関係があったり、小学生の正太郎につきまとううざい女がいたりと、話が収まるのだろうかという不安を抱えながら観ていた。が、終盤で一気に謎が解明され、ほろ苦い人間ドラマもあり、また鉄人と大鉄人との攻防もスケール感に溢れている。

鉄人28号は鉄腕アトムに次いでアニメ放送されたロボットもので、日本アニメ史上に燦然と輝く作品である。・・・であるにもかかわらず、よくよく考えたらワタシは鉄人を原作もアニメもしっかりと観たことがなかったことに気がついた(アトムは原作を読破したというのに)。1980年代にリメイク版のスタイリッシュな鉄人28号が放送されてはいたが、あれは横山光輝の原作から距離を置いているように思える。今回の「白昼の残月」は、比較的原作に近いイメージにありつつ、CGを駆使して視覚にも訴える仕上がりになっていると思う。

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