エヴァンゲリヲン新劇場版:Q
「破」のラストで起こったニアサードインパクトから、14年が経過。旧ネルフ職員らは反ネルフ組織ヴィレを結成。ネルフから初号機を奪還し、碇シンジを確保する。シンジは危険人物扱いされるが、ネルフのエヴァ急襲によりネルフへ行き、様子のおかしいアヤナミレイ、そして渚カヲルと出会う。ピアノの連弾などを通じて、シンジとカヲルは心を通わせる。
ゲンドウの指示によりエヴァ13号機に乗った2人は、(複製とわかった)アヤナミレイと共にセントラルドグマ最深部に向かう。カヲルは、そこにあるであろうロンギヌスの槍とカシウスの槍を使うことでフォースインパクトを防げると考えていたが、実際にあったのはロンギヌスの槍2本。そして、ここでシンジが暴走してしまう。
「序」「破」には旧劇場版の名残があったが、「Q」はついに完全オリジナルになった。「破」から14年経過という大胆な展開で始まり、シンジはこの間初号機で眠り続けていたらしく、まるで状況がわからない。アスカとマリは、ヴィレ側だ。そして、エヴァパイロットは「呪縛」により年を取らない。ネルフのゲンドウは、モノリスのようなゼーレの面々の電源を次々に切って停止させるが、ゼーレのキールはその間際にゲンドウに後を託すかのような発言をしていた。
しかし、作品全体を包むトーンはとにかく暗い。ネルフ本部だけでなく、地上全体が瓦礫だらけだ。地球上に生存者がどれだけいるのか不明だが、いたとしてもごくごくわずかと思われる。「旧」ではサードインパクトをクライマックスに持ってきたが、新劇場版では「ニア」にしておいて、殺伐とした世界観をじっくりと描きたかったからではと思わせる。
「破」では重要な役割を果たしていたレイの存在感が、今回は薄い(但し、初号機から発見されなかったのは一体化しているからとのこと。次作で何らかの動きがあるかも)。その代わりなのか、今回はアスカが気を吐いている。マリとチームを組む形になり、終盤ではフォースインパクトを阻止するためにシンジやカヲルと戦う。シンジとカヲルの共闘もそうだが、これらは、旧劇場版からの解放を意味していると思う。
次作は「シン・エヴァンゲリヲン新劇場版:||」。4部作と言われていて、次に完結するはず。「Q」で謎が増えてしまったが、果たして回収されるのか。今回未登場だった加持がキーマンのひとりの気がするし、アスカの後方支援に徹していたマリも、何かを知っているように思える。
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