ザ・クラッシュ(The Clash)『Westway To The World』
クラッシュのドキュメンタリー映像『Westway To The World』を観た。
バンド結成から解散に至るまでを、ジョー・ストラマー、ミック・ジョーンズ、ポール・シムノン、トッパー・ヒードンの4人が個別にインタビューで語っている。合間にはスタジオでのリハーサルやライブなどの映像があり、それを観ただけでテンションが上がる。
ロンドンのライブハウス「100クラブ」での、ジョー・ストラマーのライブを観たミック・ジョーンズとポール・シムノンがジョーを誘い、クラッシュが結成。レコード会社との契約後にトッパー・ヒードンが加入した。
アメリカに進出し、ニューヨークのシェア・スタジアムでライブができたことを喜ぶ一方、マネージャーやバンド内の軋轢なども淡々と語っている。音楽的には『London Calling』『Sandinista!』でピークを迎えたはずだが、商業的に成功したのはその次の『Combat Rock』で、バンドとしては素直に喜べない状態だったようだ(でも、前2作はアナログ2枚組と3枚組だったので、当時は敷居が高かったのかも)。
その頃、トッパーがヘロイン中毒で脱退。ドラマーが安定しなかったクラッシュの中で最も長い期間在籍したトッパーだが、ヘロインに溺れてしまったことをインタビューで涙ながらに悔いていた。また、ミック・ジョーンズもバンドを解雇されてしまう。音楽的にクラッシュを牽引していたミックだが、時間にルーズで遅刻が絶えなかったと、ジョー・ストラマーとポール・シムノンからの評判はすこぶる悪い。
メンバー以外の関係者のインタビューもあるのだが、中でも目を引いたのはツアーに帯同していた女性カメラマンだ。ポール・シムノンがベースを叩きつける瞬間をカメラに収め、それが『London Calling』のジャケットに採用された。この人によれば、ぼけてしまって写真としての出来には不満そうだったが、それがかえって臨場感を生み、ロック史に残るジャケットになったのだ。
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