ナンバーガール映像集『NUMBER GIRL』
今年再結成したナンバーガールだが、2002年解散の翌2003年に『ナンバーガール映像集』というDVDをリリースしている。
ディスク1は、「ナンバーガールを映像で思い出す」という約2時間のドキュメンタリーだ。1995年の結成から解散に至るまでの7年間を細かい映像でつなぎ、それを向井秀徳と東芝EMIのスタッフが見てコメントするというものだ。
結成から数年は福岡を拠点にしていて、向井と田渕ひさ子が金髪にするなど、衝撃映像もある。やがて東京に進出。メジャーデビューシングルをリリースする前にアメリカのサウス・バイ・サウスウエストに出演したことは、向井本人もその事実に驚いていた。
バンドを取り巻く状況が一変したのは、1999年とのこと。8月に北海道のライジング・サン・ロック・フェスティバルに出演し、超満員になった。半年前には想像できない事態だったそうだ。海外でのレコーディングの模様や、スペースシャワーTVの番組に出演したときの様子も確認できた。
多くのバンドは、インディーズからメジャーに移ったときに垢抜けたりより大衆的になったりすると思うのだが、ことナンバーガールに関してはその境目がわかりにくい。EMIからリリースするようになっても、インディーズのアティテュードを損なうことなく突っ走ったバンドだったのではないだろうか。
ディスク2は、2つのコンテンツから成っている。ひとつは9曲のPVで、向井の手書きによるラフなタッチのアニメや、メンバー4人が入り乱れた理解不能なPVもあった。4人とも、アクター/アクトレスをやるのは嫌いではなかったようだ。
あとひとつは、京都大学西部講堂でのライブ。2002年11月22日の公演で、解散の約一週間前に該当する。会場は狭く天井も低く、密閉感に溢れている。ラストの札幌公演ではさすがに終末感が漂っていたらしいが、このライブではそれは感じられず、純粋に完成度が高い。無駄が削ぎ落とされ、演奏に徹底する。バンドが到達した極みのような、素晴らしいパフォーマンスだ。
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