1984年(映画)
小説版を先日読み終え、映画版の方も気になっていた。ワタシが利用しているレンタルショップに、VHSではあるが置いてあったので、借りてきて観た(現在は、DVDやブルーレイが流通している)。
ストーリーはほぼ原作に忠実で、出来事の順番が若干入れ替えられている程度。ただ、小説版よりは少し展開が早いように思え、その分ウィンストン逮捕後のオブライエンとの対峙の場面がじっくりと描かれている(確かに重要なシーンだが)。字幕がビッグブラザーを「大兄」としていたのには、少し笑った。
タイトルの通り、1984年に制作・公開されている。ただ、恋愛や思想が禁止されていることの息苦しさや、その禁を犯すことのインパクトをもっと強く描いてもよかったのかなという気はする。視覚的にはひたすら地味で、映像にしてしまえばこんなものかなというのが、率直な感想。この翌年に公開されている「未来世紀ブラジル」は、この世界観を踏襲しつつ遊び心とエンタメ性が加えられていて、映像作品としての見応えがある。
キャストは、ウィンストンに「エレファント・マン」で主人公を演じたジョン・ハート。オブライエンはリチャード・バートン。リチャードはエリザベス・テイラーの元旦那で、1984年に死去。本作が遺作になったようで、エンドロールでも紹介されている。ユーリズミックスが手がけた曲が劇中で流れるのが、少し嬉しい。
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