ラスベガスをぶっつぶせ(2008年)
公開日:
:
最終更新日:2022/01/04
サスペンス ローレンス・フィッシュバーン
マサチューセッツ工科大学のベンはハーバード大学への編入試験に合格するが、授業料と生活費の工面に苦しむ。あるとき、数学の授業で回答したことから教授ミッキーの目に止まり、彼と学生のチームに迎え入れられる。チームはラスベガスのカジノに乗り込み、ブラックジャックでの大儲けを目論んでいた。
チームはミッキーがブレーンとなり、サインを出す係や監視の目を引き付ける係など、それぞれの役割をこなす。ベンはプレーヤーを担い、メンバーのサインによって勝負をかけるディーラーを選び、カードをカウントして勝負する。カードのカウントは、違法ではないが特殊な才能が必要。そして、勝ち続けるベンには、カジノを監視するボディガードのコールにマークされる。
実話をもとにした小説の映画化とのこと。ベンは当初カジノに行くのに乗り気ではなく、編入に必要な資金が貯まるまでと割り切っていた。それがいつのまにかカジノでの勝負に魅せられ、一方ではミッキーや仲間との衝突、恋人とのすれ違い、友人との不仲と、少しずつ歯車が狂っていく。おいしい目を見続けるのは当然叶わず、決裂したミッキーには貯めてきたお金を奪われ、コールには捉えられてしまう。
没落したままでおしまいかと思いきや、ベンは最後にひと勝負をかける。狂った歯車を修正し、コールとは取引もし、そしてミッキーへのお返しもきっちりする。どこまでが実話でどこからが脚色かはわからないが、湿っぽくせず痛快に締めくくるのは、ハリウッドらしいなと思う。
ベンはジム・スタージェスという人、恋人ジルはケイト・ボスワース。ミッキーはケヴィン・スペイシー、コールはローレンス・フィッシュバーン。ミッキーとコールには因縁があり、かつてプレーヤーだったミッキーに荒稼ぎされ、コールはクビになった過去を持つ。善も悪もこなせる名優2人に囲まれるように、若き役者たちが立ち回る構図が、よくできている。
関連記事
-
-
ユージュアル・サスペクツ(1995年)
ニューヨーク市警にて、ある銃器強奪事件にかかり、5人の常に容疑者として挙がる人物たち(ユージ
-
-
レミニセンス(ネタバレあり)
近未来のマイアミは、戦争と海面上昇によって街の一部が水没。退役軍人のニックは、戦時中の尋問装
-
-
バンテージ・ポイント(2008年)
スペインで各国要人が集まり、首脳会議が行われていた。アメリカ大統領が屋外で演説を行っていたと
-
-
オペラ座の怪人(2004年)
1870年のパリ、オペラ座。演目のリハーサル中に、専属歌手カルロッタの頭上に背景画が落ちてし
-
-
記憶探偵と鍵のかかった少女(ネタバレあり)
相手の記憶に入り込める特殊な能力を持つ「記憶探偵」。そのひとりジョンは、妻の自殺により引退状