ジョジョの奇妙な冒険 第3部:空条承太郎
舞台は第2部から50年後の1989年、つまり現代の雑誌連載時と同じ時間軸になり、そして主人公承太郎は日本人だ。この第3部、現在は「スターダストクルセイダーズ」という副題がつけられている。
第2部の主人公ジョセフは69歳になり、孫の承太郎に起こった異変を解くためにモハメド・アブドゥルを伴って来日。異変とはスタンド(幽波紋)の発現で、第1部で首だけになってジョナサンともども絶命したと思われていたディオが、実はジョナサンの肉体を乗っ取って眠りにつき、100年の時を経て目覚めたことと関係している。
ディオがスタンドを身に付けたことで、ジョースター一族にも同じことが起きた。そしてジョセフの娘で承太郎の母ホリィは、闘志を持たないがゆえに死に瀕してしまい、救うにはディオを倒すほかにないという状況に。承太郎一行はディオが潜んでいるエジプトを目指すが、道中でディオの差し金によるスタンド使いたちとの戦いを強いられる。
この第3部は、ジョジョシリーズのターニングポイントになっていると思う。第2部までは波紋だったのが、これ以降は波紋をビジュアル化したスタンドによる戦いになった。単行本にして、第1部は5巻分、第2部は7巻分だが、第3部では16巻分におよび、以降のシリーズもこれくらいの長さで描かれるようになった。
長くなった分、よくも悪くもゆるいところが出てきている。承太郎こそ硬派なキャラだが、味方ではポルナレフ、敵キャラでも大勢がギャグの要素を持つようになった。道中現れるスタンド使いには、全カットしてもいいと思えるのが結構いる。
個人的には、ポルナレフと花京院がホル・ホース&J・ガイルと対峙するのが前半のクライマックスで、後半はジョジョの屋敷に乗り込んで以降と思っている。特に、バニラ・アイスとの攻防やその後のディオとの対決では、第1部や第2部のような緊張感がよみがえっている。ディオのスタンド能力には驚かされたが、その更に上を行ったのが承太郎だった。
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