2001年宇宙の旅(小説版)
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最終更新日:2022/08/13
2001年宇宙の旅 スタンリー・キューブリック
こんにち傑作SF映画として必ず名のあがる、スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』。この作品、実は小説版もある。SF作家アーサー・C・クラークによるもので、実はキューブリックは映画制作にあたりクラークに協力を依頼していた。小説は映画の原作ではなく、映画と並行して執筆され、世に出たのは映画の方が先だった。
小説は映画とは異なると言われていたが、個人的には思ったほどの差違は感じなかった。強いて言えば、映画版にはナレーションも字幕説明もないので謎めいた雰囲気に包まれているのに対し、ことばが主体の小説ではそこそこ細かい描写がされていた。それでも、ボーマンがスターゲイトを通過する辺りからラストまでは、やはり映画の方が1枚も2枚も上手だ。
映画と小説とで決定的に異なるのは、映画では木星を目的地にしているのに対し、小説では土星を目的地にしていることだ。これは、特撮班が土星の輪を美しく表現できなかったためt言われているが、1960年代後半の技術では致し方ないところだ(それでも、映像全般は公開から50年経った今でも古びておらず、鑑賞に耐えうるが)。
クラークは決してマイナー作家ではなく、アイザック・アシモフやロバート・A・ハインラインに並ぶ、20世紀を代表するSF作家のひとりだ。しかし映画版の公開当時は、キューブリックに振り回されていて決していい気をしていなかったそうだが、映画が確たる評価を得た後は関与できたことを喜んでいるとのこと。ワタシが持っている書には、後に付けたされたクラークによる前書きと後書きがあり、映画版と小説版との違いを補足している。
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