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プーと大人になった僕(ネタバレあり)

TOHOシネマズ日比谷プレミアムシアター

クリストファー・ロビンは、子供の頃イギリスのサセックスでプーさんたちと楽しく遊んでいた。やがて、寄宿学校に通うために引っ越し。成長するにつれ、第二次大戦による出兵や終戦後に就職した会社での仕事に忙殺され、かつてのピュアな心を失っていた。

クリストファーは部署の厳しい業績を立て直すべく、週末に予定していた家族旅行をキャンセルし、仕事に没頭。しかし名案が浮かばず煮詰まっていたところに、突然プーさんが現れる。しかし木の穴の扉がふさがってしまったため、プーさんはサセックスに帰ることができなくなる。クリストファーは、プーさんを伴ってサセックスへと向かう。

『くまのプーさん』に題材を得た、ディズニー実写映画だ。ワタシは元のプーさんの話を知らず、知っているのはキャラクターとしてのプーさんの姿のみ。よって、ほぼまっさらな状態で観た。プーさんにはウサギや子ブタなどの仲間がいて、みな少年時のクリストファーの遊び友達だった。クリストファーがキャンセルした家族旅行の行き先はサセックスで、中盤ではクリストファーが、後半では彼の妻や娘がプーさんたちと邂逅する。

キャストは、クリストファーを。この映画のプロモーションでやっと初来日を果たしたのは、記憶に新しい。妻イヴリンを。『キャプテン・アメリカ』で、スティーヴ・ロジャースの恋人ペギー・カーターを演じていた人だ。クリストファーの会社の上司を、マーク・ゲイティス。ドラマ『SHERLOCK』で、の兄マイクロフトを演じつつ脚本も手がけている人だ。

プーさんは結構ドジっ子で、ハチミツを撒き散らしてクリストファーの家の中をぐちゃぐちゃにしたり、仲間を探す際に方位磁石を見ていないなど、結構やらかしている。しかし、大人になったクリストファーにそれとなくメッセージを伝え、彼が忘れていたことを思い出させ、導いている(最終的にはイヴリンや娘マデリンも導いている)。何より、あのほのぼのとした表情を見せられると、オールOKという気にさせられる(笑)。憎めない、というよりある意味ずるいキャラクターだ。

クリストファーについては、かなり贔屓目に観た。そりゃ、少年時の心は失ってしまったかもしれない。ただ、この人はこの人なりにかなり踏ん張っている。会社では上司からのプレッシャーにさらされ部下のリストラを考えなくてはならず、その一方妻と娘からは約束を守らず家庭を省みない父親とみなされる。この人にとっての心のやすらぎは、どこにあるのか。プーさんがクリストファーの前に現れたのはそんなときで、再会は偶然ではなく必然だったのだ。

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