メイズ・ランナー:最期の迷宮(ネタバレあり)
WCKDに捕らわれた人々を奪還すべく、ライト・アームは列車を襲撃。人々の解放とWCKDの戦闘機奪還に成功する。しかし、捕らわれていた人の中に、トーマスたちの仲間のミンホはいなかった。ミンホは、ウィルスの治療法を見つけるための被験者として、WCKDの本拠地ラスト・シティに連れて行かれていた。
ライト・アームのリーダーのヴィンスは、ミンホだけのために全員を危険にさらすことはできないとトーマスに言い、トーマスはニュート、フライパンと共に密かにラスト・シティに向かう。途中ウィルス感染したゾンビに襲われるが、追ってきたホルヘとブレンダのサポートで危機を脱する。
トーマスたちはラスト・シティに到着するも、高い壁と厳重な警備で、侵入は難しい。そこへ、ウィルス感染者による反乱軍と行動を共にしていた武装集団にトーマスたちは確保される。その中のひとりは、巨大迷路脱出の際に死んだと思われていたギャリーだった。チャックを殺された恨みでトーマスはギャリーに掴みかかるが、ギャリーはラスト・シティに侵入できる方法を知っているとトーマスに話す。
シリーズ3作目にして完結篇。過去2作では無力で逃げることしかできなかったトーマスやニュートたちだが、今回は序盤から攻めていて、WCKDを翻弄している。1作目でトーマスを目の仇にしていたギャリーが、まさかの再登場。裏切ることもなく最後までトーマスたちをサポートし続け、まるで映画ではいいやつのジャイアンのようだ(笑)。前2作では影が薄かったフライパン、2作目から登場のブレンダも、重要な役を担う。
一方、ニュートはウィルスに感染していることをトーマスに明かす。自分が巨大迷路に放り込まれたのは、抗体を持たない者としての被験者だったのではと自覚していた。また、前作ラストでトーマスたちを裏切る形になってしまったテレサは、ラスト・シティでウィルスの治療法の研究に没頭。後にブレンダの状況を知り、治療法開発への糸口を見出す。
1作目には「エイリアン」、2作目には「バイオハザード」の要素があった。今回は、砂漠の中を痛んだバギーで疾走する序盤は「マッドマックス2」を彷彿とさせる。終盤で反乱軍が乱入してからの、炎に包まれ高層ビルが崩れ落ちるラスト・シティの陥落ぶりのスケールの大きさは、ハンパなくすごい。この臨場感は、劇場で堪能するべきだ。
今回も尊い犠牲があり、生き残った人たちは悲しみを背負うことになるが、それでもラストは希望が持てる締めくくり方をしている。3部作の完結篇に相応しい、出色の出来だと思う。ただ惜しむらくは、超メジャーな俳優が見当たらないこと。欧米でヒットしても日本では今ひとつなのは、このせいだろうか。
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