コーン(KoRn)『The Paradigm Shift』
コーンは、2013年にアルバム『The Paradigm Shift』をリリース。音としては前作『The Path Of Totality』の路線を継続していて、テクノとラウドとメタルがミックスされた仕上がりになっている。個人的には、前作よりも説得力があるように感じている。
そして、今回はなんと、2005年に脱退したギターのブライアン"ヘッド"ウェルチが電撃復帰を果たしている。その経緯は、同梱されているドキュメンタリーDVDに詳しい。メンバー全員のインタビューをとっているが、真っ先に登場するのが当事者ヘッドだ。脱退はヘッドがメンバーにメールで一方的に通知し、その理由はクリスチャンとして神に仕えるためとされていた。
しかし実際は、3種類のドラッグに溺れぼろぼろだったからだと、本人の口から語られる。離婚し娘を自分で育てなくてはならず、クリスチャンになったのもこれらの背景による。自身をクリーンにし、父としての役割を果たす一方、2012年にフェスに出演するコーンのライヴを観に行くことになり、『Blind』ではステージに立って久々にバンドメンバーたちと演奏。しかしメンバーはヘッドに復帰を急かさず、じっくり考える時間を与えた。1週間後、ヘッドはレコーディングに参加したいと連絡したそうだ。
一時は3人にまでなってしまったコーン。サポートを経てレイ・ルジアーをドラマーに迎えて建て直し、2010年に『KoRn3』と題して原点回帰を掲げるも、その後はダブステップに接近していた。もちろん、これらの活動に低迷や迷走のイメージはなく、そのときそのときでバンドは常にベストを尽くしてきたはずだ。
しかし、しかし、それでもヘッドが帰ってきたことの意味は、とてつもなく大きい。映像の冒頭、ステージでヘッドを紹介するMCと、それに呼応して歓喜の声をあげるファンの光景に、観ていて熱くさせられる(むしろ、バンドメンバーたちのリアクションが淡々としていることに驚かされる)。
個人的に、コーンの来日公演は98年フジロック以来コンスタントに足を運んでいたのだが、2014年ノットフェス、2015年オズフェストはスルー。よって、直近は2011年サマーソニックになる。いつのまにか7年も経ってしまい、その間にヘッドが復帰。5人編成に戻ったコーンを、ワープトツアーで観られるのが楽しみだ。
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