スター・ウォーズ エピソード8 最後のジェダイ(ネタバレあり)
2時間半を超える大作だったが、ここで終わりか、いやまだ続く、を繰り返す、個人的に見応えのある内容だった。密度が濃かった。
ジェダイの寺院に行きルーク・スカイウォーカーに会ったレイは、ライトセーバーを手渡そうとする。しかしルークは取り合わず、レイを追い返そうとする。レイはこの地には来たことがあると言い、ルークはR2-D2の説得やミレニアム・ファルコン号を懐かしんだことなどもあり、ジェダイの何たるかを彼女に教える。カイロ・レンとの間にあったことも、そしてジェダイがやがて滅びることも。
一方、ファーストオーダーに追撃され、攻撃を受けるレジスタンスの戦艦。レイアは宇宙空間に飛ばされ生還するも、昏睡状態に。ホルド提督が指揮官になり、ポー・ダメロンは命令違反で降格。フィンは、なぜファーストオーダーが自分たちをどこまでも追跡できるのかを推測し、整備士ローズと共に秘密裏に行動を起こす。スター・デストロイヤーに侵入し追撃システムの破壊を試みるべく、カジノの惑星にコード破りの腕利きを探しに出る。
新3部作の2作目だが、エピソード7以上に新機軸が増えた。まず、今回は前作からの時間経過がほとんどなく、エピソード7の直後だ。レイ、フィン、ポーのレジスタンス主要キャラは、今回は別々に行動。レイはルークとの、ポーはレイアとホルドとの、言わば上の世代からの教えあるいは叱咤を受ける。フィンにはローズという女性だが、微妙なラヴロマンスに。彼女の存在、必要だっただろうか。
そして新機軸の最たるは、カイロ・レンの台頭だ。レイとは物理的に離れていてもフォースで通じ合い、レイはレンをダークサイドから引き戻せる可能性を見出す。やがてレイは自らスター・デストロイヤーに乗り込み、ファーストオーダーの最高指導者スノークと対峙。レイはスノークに苦しめられるが、なんとレンがスノークを殺してしまう。しかしレンは、共鳴し合うレイ個人を救いたかっただけで、根本は自らがファーストオーダーの指導者となり宇宙を征服することだった。
エピソード7ではフィンが準主役級だったが、今回はレイとレンのダブルキャスト状態で、まるでアムロとシャアのようになっている。スノークを倒した直後の近衛兵たちを迎え撃つ2人は、もうバディ状態だ。「完成していない悪役」レンは、前作では実父ハン・ソロを殺し、そして今回は師のルークと直接対決することで、ダース・ベイダーとは異なるヴィランになろうとしている。また、レンの本名がベン・ソロということが、今作で明らかになる。
レイはデイジー・リドリー、フィンはジョン・ボイエガ、ポーはオスカー・アイザック、レンはアダム・ドライバー、ルークはマーク・ハミル、レイアはキャリー・フィッシャー、ホルドはローラ・ダーン(『ジュラシック・パーク』のサトラー博士)。スノークはアンディ・サーキスで、この人は『ロード・オブ・ザ・リング』のゴラムや『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』のシーザーなど、モーションキャプチャー役が多いが、今回も全身特殊メイクだ。
レイの両親は名もなき者たちで、生活のためにレイを売り、既に死んでいてジャクーの墓に眠っているそうだ。レイがジェダイの末裔では?という希望はあっさり消えてしまったが、血統やジェダイの伝説扱いなど、シリーズの価値観を否定し離脱するさまが伺え、次のフェーズに差し掛かったことを感じさせる。と同時に、次作エピソード9は完結編・決着編になるはずで、そこで新たな価値観が生まれるはずだ。
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