「怖い絵」展を観に行ってきた
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最終更新日:2024/10/05
西洋画
上野の森美術館で開催されている、「怖い絵」展を観に行ってきた。ドイツ文学者の中野京子が2007年に著書「怖い絵」を出版。今年は発表から10周年にあたり、この展示が開催された模様。共通するテーマは「恐怖」だ。
美術展には何度か足を運んだことがあるが、今回はじめて音声ガイドを利用した。中野氏によると、ただ絵画を観て感じるのではなく、描かれている対象や描いた作家、描かれた時代などの背景を知ることにより、絵を楽しむのを勧めているとのこと。ガイドは、女優吉田羊が務めていた。
描かれているのは、ギリシャ神話や北欧神話、切り裂きジャック、イギリスのチャールズ一世、クレオパトラなど。作家が独自の解釈を加えていたり、描かれた当時の世相が反映されていたりするとのこと。クレオパトラは美しく死ぬための方法を模索していて、毒薬を死刑囚で試していたそうだ。切り裂きジャックの部屋は、作家がジャックが住んでいたとされる部屋を借りて自ら住んだとのこと。作家=ジャックという説もあるらしい。
この展示のメインは、「レディ・ジェーン・グレイの処刑」だ。イングランドの女王になるも、わずか9日間で退位となり、その後斬首刑となっている。16歳の若さだった。音声ガイドで、夏目漱石がロンドン留学中にこの絵を観たときのことを『倫敦塔』に書いているらしいので、読み返してみたい。また、絵画では屋内で処刑されているが、実際はロンドン塔敷地の屋外で執行されたとのこと。以前ロンドンに旅行した際、ロンドン塔にも行っていて、レディ・ジェーン・グレイのモニュメントも実際に見ている。
さて「怖い絵」展だが、多くの絵画をかなり間近で観ることができて、正直言うと「怖い」というより「美しい」と思うことの方が多かった。音声ガイドは、ヘッドフォンが少しゆるくて気になった以外、使ってよかったと思う。吉田羊の語りは、落ち着いていて聞きやすかった。
行ったのは昨夜。なぜ昨夜かというと、平日で130分待ち、土日では210分待ちなど、入場するまでにかなり待たなくてはならず、いつのどの時間に行くかをずっと考えてのことだった。閉館間際は待ち時間が短くなる様子で、金土は20時まで開館しているので、そこを狙って18時45分過ぎに行った。結果、待ち時間なしで入場できた。この展示は、12月17日まで開催されています。
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