ブラック・レイン(特典映像)
『ブラック・レイン』は1989年公開だが、ワタシが買ったDVDは2006年リリースで、恐らくはこのDVDのために新たに収録されたと思われるインタビューが、特典映像として組み込まれている。こたえているのは、監督のリドリー・スコットをはじめ、プロデューサー、脚本家など。主演のマイケル・ダグラスは、制作にも関与していたようだ。
耳が痛いなあと思ったのが、日本でのロケが規制・規制でかなり困難だったと言われたこと。スコットは、当初新宿歌舞伎町でのロケを思い描いていたが、許可がおりなかったそうだ。そこへ名乗りをあげたのが、東京に対抗意識を燃やす大阪だった。
しかし実際撮影を始めてみると、予定していたより使える時間が大幅に短くされたり、場所によっては撮影そのものができなくなったりしたそうだ。大阪の体でアメリカや中国で撮影したという話は公開当時から聞いていたが、実のところは撮影をしたくてもできなかったということらしい。アメリカでは集まるギャラリーは2~300人だが、日本では1万人以上集まった、とも言われた。
ワイルドで少しダーティーなニック刑事役は自分にとってのチャレンジだったと、すっかり白髪になったマイケル・ダグラスは語っていた。シルベスター・スタローンに風貌が似てきたアンディ・ガルシアはとても雄弁で、自分が演じるチャーリーが死ぬ場面の撮影の裏側を細かく語り、その前のシーンのクラブでの高倉健とのデュエットや、チャーリーの死がその後ニックと松本に大きな影響を与えると思い、途中で死ぬ役を厭わなかったと話していた。ケイト・キャプショーは、役のために実際に日本のクラブで数ヶ月働いたそうだ。
出演者の当時の状況を、調べてみると面白い。マイケル・ダグラスは『危険な情事』『ウォール街』で一躍トップスターに踊り出て、二世俳優の殻を破った(父は名優カーク・ダグラス)。アンディ・ガルシアは、この前には『アンタッチャブル』でケヴィン・コスナーの部下を好演し、この後には『ゴッドファーザーPART3』で野心的なマフィアを演じている。
ケイト・キャプショーは、この数年後に結婚していて5人の子供を設け、以降女優活動をセーブしている。旦那は、『インディ・ジョーンズ』のオーディションで彼女を抜擢した、スティーヴン・スピルバーグだ。これにも驚いたが、更に驚いたのが、高倉健である。公開年でなんと58歳だった!どう見ても、10歳以上は若く見える。
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