メッセージ(ネタバレあり)
世界各地12ヶ所に、宇宙船と思しき謎の物体が飛来。しかし宇宙船は、その場に留まったままで何をするでもなく、数日が経過。各国は宇宙船に潜入し、宇宙人との接触を試みる。彼らが地球に来た目的は何か。友好か、それとも侵略か。
アメリカ人言語学者ルイーズは、政府指揮のもと対応に当たっている軍の要請で彼らの言語を翻訳する任につき、モンタナに行く。彼らが発する墨のようなものが描く円形が彼らの言語と読み取ったルイーズは、物理学者イアンと共に解読をはじめる。一方、中国やロシアなど一部の国は戦闘態勢に入り、緊張が高まる。
欧米では昨年公開され、アカデミー作品賞にもノミネートされている。SF映画ではあるが、宇宙人との意志疎通を探りあうという地味な展開で、心理戦の様相を呈している。合間に、ルイーズには娘がいて亡くしている映像が何度かフラッシュバックされるが、この映像こそが実は解決の糸口になっている。
キャストは、ルイーズをエイミー・アダムス。本作ではシングルマザーかつ学者役ということもあってか、派手さを抑えた見た目になっている。イアンはジェレミー・レナーで、エイミーと同じく主演も助演もこなせる資質を見せ、2人の役者としての立ち位置は似通っていると感じる。現場責任者の大佐を、フォレスト・ウィテカー。昨年の『ローグ・ワン』での怪演が記憶に新しいが、今回は、言わば民間人の2人に軍人としてきつく当たりながらも、要所でフォローを入れる役回りを演じている。
宇宙船は世界12ヶ所に飛来したが、日本は北海道だった。また、宇宙船の形状が日本のスナックせんべい「ばかうけ」に酷似していると話題になっていて、これを受けて監督のドゥニ・ヴィルヌーヴが、ご推察の通り「ばかうけ」をアイディア元にしているとの声明を発し、つまり乗っかった(笑)。日本だけかもしれないが、「ばかうけ」とコラボしたポスターも作られた。そしてこの監督、秋に公開予定の『ブレードランナー2049』の監督も務めている。
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