ポール・マッカートニー&ウイングス(Paul McCartney)『Rock Show』(2013年5月)
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最終更新日:2024/09/15
映像 ビートルズ, ポール・マッカートニー
ポール・マッカートニーの70年代のライヴ映像がDVD/ブルーレイとして復活・発売されることになり、それに先駆けてTOHOシネマズで期間限定上映されていた。六本木ヒルズのみ期間が延長されたので、観に行ってきた。予備知識をほとんど入れないまま臨んだのだが、想像以上の密度の濃さだった。
冒頭が現在のポールのインタビューで、当時のことを結構細かく語っている。ウイングスとしてはじめての全米ツアーで、シアトルの会場に6万7千人が集まった公演の収録だそうだ。ほとんど素人のリンダを入れたことへの批判についても、冷静に振り返っている。
さて本編。『Venus And Mars』から『Rock Show』へとなだれ込んだかと思うと、すかさず『Jet』『Let Me Roll It』という、現在のポールのライヴでも披露される鉄板曲に。それにしても、当時30代前半のポールはびっくりするほどエモーショナルだ。バンドは、キーボードのリンダのほか、デニー・レイン(元ムーディ・ブルース)とジミー・マッカロウという2人のギタリスト、ドラマー、4人のホーンセクションという具合だ。
ポールの立ち位置は、中央ではなく向かって右。デニーやジミーがリードヴォーカルをとる曲もあり、ポールのワンマンというより、ポールもバンドの一員たらんとする姿勢が伺える。ギターソロの多くはジミーが担い、デニーはダブルネックを弾いたかと思えばキーボードやパーカッションもこなすマルチぶりだ。ドラマーはパワー型で、今のドラマーとも通ずるものがある気がする。
セットリストは、当然ながらソロやウイングスからが軸となっている。ポールがピアノを弾きながらソロの名曲『Maybe I'm Amased』を歌ったかと思うと、次いで『Lady Madonna』『The Long And Winding Road』ときた。ビートルズナンバーをポールが歌うことは、当時大きな衝撃だったはずだ。
『Live And Let Die』は前半のハイライトで、マグネシウムの爆発やレーザー光線が飛び交う演出を、このとき既にやっていたのは驚きだ。この後はアコースティックコーナーとなって、『Blackbird』『Yesterday』『Bluebird』などを披露。
バンドセットに戻ると、ストレートなラヴソングの『My Love』、デニーによるムーディ・ブルースの『Go Now』などを経て、ついに『Band On The Run』が。このとき、ステージ上部にはアルバムジャケットの映像が映し出されていた。アンコールも2度行われ、大盛況のうちにライヴは終了した。
TOHOシネマズ六本木ヒルズでは、この作品は2013年5月30日(木)まで上映。DVD/ブルーレイは、2013年5月29日に発売されている。
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