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グリーン・デイ(Green Day)『Awasome As F**k(CD+DVD)』

公開日: : Green Day

グリーン・デイ(Green Day)『Awasome As F**k(CD+DVD)』

2011年3月にリリースされた、の最新ライヴCD+DVDを観て聴いた。『21th Century Breakdown』のツアーを収録したものだが、先のライヴCD+DVD『Bullet In A Bible』に勝るとも劣らない、出色の出来になっている。

まずはCD。単一公演ではなく、世界各地の音源をピックアップしてほぼライヴのセットリスト順に並べたのだが、そうしたつぎはぎ感は感じられず、まるで一公演をそのまま収録したかのように聴こえる。曲も先の『Bullet』とのカブりを意識してか、今回のツアーでも演奏自体はされている『Longview』『Basket Case』などは、外されている。しかしそれでも、ライヴの醍醐味は少しも損なわれてはいない。

新作のタイトル曲『21th Century Breakdown』で幕を開け、『Know Your Enemy』で畳み掛け、前半は新作の世界観を展開。中盤から後半はバンドの歴代ベストで固め、本編の締めくくりを『21 Guns』とし、アルバムコンセプトのライヴ構築を完成させる。アンコールでは前作『American Idiot』の曲で攻め、オーラスは定番『Good Riddance(Time Of Your Life)』。まさに盤石の運びだ。

そして、更に注目なのがDVDだ。なんと、2010年1月23日24日のさいたまスーパーアリーナ公演をもとに編集されている。恐らくベースになっているのは24日の方で、そう思うのは、ワタシは23日の公演を観に行っていたからで、その日には演奏されなかった曲が多いのと、何度かされているステージ客上げも、違う人のように見えたからだ。

このDVD、非常に惜しい。曲間に会場外や入場時の様子、バックステージでのメンバーなどを挿入していて、ドキュメンタリー風に仕上げているが、このバンドにこうした演出は似合わないと思う。カットされた曲もあり、ライヴトータルがコンパクトに収まってしまい、スケール感に欠ける。

しかし、こうした不満も取るに足らない。記録として永遠に残り流通され続ける媒体の素材に、彼らの本国アメリカでもヨーロッパでもなく、極東の島国の公演をバンドとスタッフが選んでくれたことが、たまらなく嬉しいのだ。ビリー・ジョーは歌詞に「トキオ」を交えたり、96年の初来日のことをMCで言ってくれたりと、日本のファンにとっては至れり尽くせりである。

CDにもDVDにも、『Cigarettes And Valentines』という新曲が収録されている。ただのライヴ作品に終わらせない、彼らのサービス精神が伺える。

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