ブラー『blur:Live At Wembley Stadium』を観た
ブラーが2023年7月にロンドンのウェンブリー・スタジアムで行った、ライヴをフル収録した映像が劇場公開された。
映像は、メンバー4人がバックステージから出てくるところからはじまり、オープニングは『St. Charles Square』。カメラは頻繁にスイッチされ、もちろんステージ上の4人を正面だけでなく後方や真横からも映し出す。そして、時にはアリーナ最前列に詰めたオーディエンスや、スタジアムを上空から捉えたアングルなども。
この年新譜『The Ballad of Darren』をリリースしているものの、セットリストはベストヒット構成で、聴きたい曲はほとんど演奏されている。そして『Modern Life Is Rubbish』30周年アニヴァーサリーという裏テーマもあって、なんと5~6曲が演奏されていた。
デーモンは曲によってはセミアコを弾くこともあり、MCを担い、ステージを降りてアリーナ最前に突入もしていた。グレアムは、テレキャスやストラト、レスポールなど5~6本くらいのギターを使っていた。『Coffee & TV』は、もちろんこの人のリードヴォーカルだ。
アレックスは、演奏中でも頻繁にタバコを吸っていた。デイヴは、3人の背中を見ながらプレイ。リズムキープタイプは、このバンドに合っている。4人のほかは、キーボードのサポートメンバーがひとりいた。
『Parklife』ではフィル・ダニエルズが登場し、アンコールの『Tender』では、ゴスペルコーラス団をステージに招いていた。個人的には最も好きなブラーの曲で、デーモンのヴォーカルを経てグレアムがサビの最後を歌う流れが最高だ。オーラスは、もちろん『The Universal』。最後は5人が肩を組んで挨拶し、満足げな表情だった。
帰宅後に調べたが、ウェンブリー・スタジアムでの公演を商品化しているアーティストは、クイーンとフー・ファイターズくらいしか出てこなかった。ライヴエイドやワム!解散ライヴか行なわれたところでもあるが、特に英国のアーティストにとっては特別な会場なのだろう。ブラーにとっては、同会場での公演はキャリア初だった。そして、この約1カ月後にサマソニのヘッドライナーとして来日している。
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