ラビリンス/魔王の迷宮(1986年)
両親の外出に伴い、まだ赤ん坊の弟の子守りを押し付けられたサラ。彼女は半ばヤケになり、弟をどこかへ連れ去ってと言ってしまう。すると、ゴブリンの魔王ジャレスが、ほんとうに迷宮の自分の城にさらってしまった。さすがに焦ったサラはジャレスに弟を返してほしいと懇願するが、ジャレスは時間制限を設けそれまでに取り戻しに来るよう告げる。
迷宮で、サラはゴブリンに痛めつけられていた怪物を助け、一緒に城に向かう。サラを妨害するようジャレスに命令され、彼女に近づいて記憶を消す桃を食べさせたゴブリンも、彼女に「友達」と言われたことに心を動かされ、協力し城へと案内する。
製作総指揮は、ジョージ・ルーカス。迷宮に棲む生物は、その大半がマペット(マリオネットとパペットを組み合わせた造語)で演じられている。マペットは、監督のジム・ヘンソンによって創作された人形で、この人は『セサミストリート』も手掛けているとのこと。作り物とわかっているのに、そのクオリティの高さには感心させられる。
サラはジェニファー・コネリーで、公開時で16歳だった。桃を食べて眠ってしまった際、夢の中で仮面舞踏会に出席するが、ドレスアップした彼女は大人びていて美しかった。ワタシが観た中では、『地球が静止する日』に出演。そして何よりも、『トップガン マーヴェリック』でのトム・クルーズの相手役が記憶に新しい(前作『トップガン』は、本作と同じ年に公開されている)。
ジャレスはデヴィッド・ボウイで、この時期は『ハンガー』『戦場のメリークリスマス』『眠れぬ夜のために』『ビギナーズ』と、俳優活動にかなり精力的だった。一方で、音楽活動は『Let's Dance』で商業的に成功するも、その後「迷宮」に入ってしまう。本作では主題歌をはじめ数曲を作り、また劇中にミュージカルシーンもあり、かなり意欲的だった。
クライマックスでジャレスと対峙した彼女は、あるセリフを言ったことで弟を取り戻すことに成功する。そのセリフは、冒頭で愛読書の朗読をしていたときに、どうしても覚えられないセリフだった。その愛読書は、「ラビリンス」だった。
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